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17KAJIMA2025071:宿泊棟からの眺め2:敷地全景3:宿泊棟リビング・ダイニング4:地形に沿って建つ宿泊棟5:3DP×SUICOM橋KX-FORESTKARUIZAWA 軽井沢の中央に「離山」という比高200m程度の山がある。敷地はその南麓約2haの傾斜地で,泉が湧く自然豊かな土地である。泉が湧いて出る様から「泉の里」と命名された。鹿島と軽井沢の歴史は古く1891年の鉄道碓氷線・横川∼軽井沢間の建設に始まる。軽井沢の発展に大きく寄与した鹿島はこの地を所有し,約半世紀にわたり社有施設として大切に継承してきた。そして今回,社員のワークライフバランスやエンゲージメント向上を目指し新たな保養所が計画された。 新設の独立ヴィラ14棟と旧施設を保存改修したconcept鹿島の総合力で実現した新たな保養所・・・・・・・・・・・・・・・・・・三宅正芳(みやけ・まさよし)イリアグループリーダー主な作品:JALシカゴ国際空港ラウンジ郵船クルーズ飛鳥Ⅱ改修小湊鐡道房総里山トロッコ室町三井ホール&カンファレンスダイキンアミカ軽井沢吉田謙一(よしだ・けんいち)ランドスケープデザイン常務取締役主な作品:瀋陽万科春河里AKASAKAK-TOWERブルガリホテル上海JurongLakeGardensTheGEAR佐々木智之(ささき・ともゆき)建築設計本部グループリーダー主な作品:パークマンション千鳥ヶ淵パークマンション代官山FairmontJakartaダイキンアミカ軽井沢冨士大健司(ふじだい・けんじ)建築設計本部本部次長主な作品:芝浦アイランドエアタワーAKASAKAK-TOWERRESIDENCEFairmontJakartaRafflesBali※当社らが開発した,固まる過程でCO2を吸収・固定化してCO2排出量を実質ゼロ以下にすることができる世界初のコンクリート24ページに関連記事掲載センターハウスからなる。旧建物の跡地や道路,擁壁を利用し地形の変更を最小限に抑えた。ヴィラは適切な距離感を保ちつつ,互いの視線を制御しながら配棟。森や小川,池,離山に向けて大きな開口を設け,コーナーウィンドウを連続させた。建築が地形に寄り添って並び自然と呼応する姿は,簡素ながら気品ある景観を形成し,泉の里は新しい姿に生まれ変わった。 併せて鹿島の新技術や環境配慮の実証の場として様々なチャレンジを実施した。3Dプリンターと環境配慮型コンクリート「CO2-SUICOM®※」の技術で橋を構築。森林資源循環の推進を目指し,ヴィラの構造材・外装材・家具材に社有林や敷地伐採材を活用。さらに希少植物やホタル,ムササビなどを建設中に保護し生物多様性の確保等を通じて,国際的環境認証SITES最高ランク・プラチナ,国土交通省TSUNAG認定最高ランク・トリプルスターを取得した。 2024年秋,同施設は運営を開始したが,これは開発・設計・技術研究所・施工のほか,関連部署,関連会社が一体となり,鹿島の総合力で実現したプロジェクトである。(佐々木智之)23455鹿島軽井沢泉の里保養所