18KAJIMA202510当社は2024年からNHK学生ロボコン(主催:NHK,NHKエンタープライズ)に協賛している。6月8日の本大会では,昨年に続き「鹿島建設特別賞」(以下,鹿島賞)を設け,ロボットづくりに青春を懸ける学生たちを応援した。ここでは,鹿島賞を受賞した「金沢工業大学夢考房Team_Robocon」への取材を通して,ロボコンの舞台裏をレポートする。#KAJIMA#kajimaステキシェアいいね!#NHK学生ロボコン2025※アジア太平洋放送連合鹿島賞に輝いた金沢工業大学夢考房Team_Robocon今大会のメインビジュアルアイデアを形に!夢は現実に!技術研究所高井剛専任部長アイデアの真剣勝負「NHK学生ロボコン」 ロボットコンテスト(ロボコン)は,競技課題に従い,チームでロボットを製作しアイデアや技術力を競う。なかでも,「NHK学生ロボコン」は,高いスキルが求められる事前審査があること,優勝校は日本代表として世界大会「ABU※ロボコン」に出場できることから,ロボコン界において国内最高峰のひとつと位置付けられる。 若く未来あるエンジニアたちがしのぎを削るロボコンは,建設現場の自動化・ロボット化を進める当社にとっても親和性が高い。「アイデアを形に!夢は現実に!」。当社はこのメッセージとともに,ロボットで夢をつかむエンジニアにエールを送った。競技テーマ「ROBOTBASKETBALL」 今大会のテーマは,ABUロボコン2025の開催地であるモンゴルでも大人気のスポーツ「バスケットボール」から設定された。実際の競技同様,ダンクシュートや3Pシュートなどの得点を競うルールで,ロボットに詳しくない人にもわかりやすい。 チームワーク・技術力・戦略を駆使し,いかに相手ロボットを翻弄して勝利するかが競技のみどころである。東大が優勝!鹿島賞には金沢工業大 エントリー総数38チームのうち17チームが本大会に出場し,5グループに分かれての総当たり戦を経て,計8チームが決勝トーナメントに進出した。 決勝では,東京大学が3連覇中の豊橋技術科学大学に逆転勝利し,5年ぶりの優勝。また,鹿島賞には第2試合(vs東京工科大学戦)で見事な3Pシュートを決めた金沢工業大学を選出した。多くの観客で熱気に包まれた会場。各校自慢のロボットたちが激戦を繰り広げた

19KAJIMA2025103Pシュートを決めた瞬間。このゴールが決勝点となった#目指せ,モンゴル! #エンジニアたちの甲子園 #「モノづくり」×鹿島 #メカトロニクス・ソリューション部 #チームワークも欠かせない―Team_Roboconについて滝澤 1996年創部,現在部員数は約60名で,「NHK学生ロボコン優勝」を目標に日々活動しています。今大会のチーム名「籃らいは覇」は,バスケットボールの漢字「籃」球と,天下を取るの「覇」という意味を込めて命名しました。―今大会にむけて,どう取り組んできましたか?渡辺 ロボット製作は設計・加工・制御のワンサイクルを,実験機は約5週間,後継の統合機は約7週間で行い,シュート機構に多くの部員と時間を費やしました。なかでも,実験機の性能評価には苦労しましたね…。練習機相手に評価するのですが,「本当にこれで大丈夫か?」と判断に迷いました。というのも,自分たちでつくった練習機なので,攻撃・守備ともにロボットの動きが全て丸わかりですから(笑)。滝澤 渡辺くんが話すように,今大会はロボットづくりだけではなく「対戦チームのロボットにどう対応するか?」という戦略面にも力を入れました。―今大会を振り返ってください滝澤 本番と同サイズのフィールドをつくり,何百時間と練習してきたので,本番での不安要素はほとんどありませんでした。しかし,観客や応援団の声援でとても緊張してしまいました…(苦笑)。興津 そうですね。試合中は審判のジャッジすら聞こえないくらい,緊張しました。渡辺 え,そうなの!?。私は2人とは違って,インカムから聞こえるチームメンバーの会話と審判の声しか聞こえないくらい,目の前の試合に集中できました。―素晴らしい3Pシュートが決まりましたね興津 シュート制御担当だった私は,チームのために完璧なシュートが打てるロボットをつくらなければ,と大きなプレッシャーを感じていました。練習でも理想のシュートを打てなかったのですが,第2試合で3Pシュートを決めたときは,本当にグッとくるもinterview祝鹿島賞受賞!金沢工業大学夢考房Team_Roboconに振り返ってもらいました今大会のチームメンバー。左から渡辺康晴さん,滝澤正美さん(チームリーダー),興津侑太さん(全員3年生)のがありました。渡辺 あの1本のシュートのために,1,000本,2,000本と毎日本当に遅くまで練習してきました。努力が報われた瞬間でしたね。―最後に,後輩への期待を聞かせてください滝澤 ここ数年,私たちは目立った成果を残せていません。今のやり方を変える必要があると思うので,3年生で引退するのではなく,4年生になる来年も活動を続け,良かったこと・悪かったことを後輩に共有していこうと考えています。後輩には,ぜひ「強い金沢工業大学」を取り戻してもらい,また優勝してほしいです。大会ニ出場シタロボットヲ紹介スルゾ  8月24日,ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト2025モンゴル・ウランバートル大会が開催され,アジア13の国と地域から14チームが出場した。大会は,日本代表として出場した東京大学が,ダンクシュートを決めて逆転優勝。当社が選出する鹿島賞は,2台のロボットを華麗に連携させ高度な戦略設計を披露したスラバヤ工科大学(インドネシア)に贈呈した。 当社は,会場に「Challenge&Changing」のメッセージボードを設置,アジア・太平洋地域の発展に貢献するエンジニアたちの挑戦を応援した。columnABUロボコン2025がモンゴルで開催!鹿島賞を受賞したスラバヤ工科大学チームの皆さん(左端が田辺義晴広報室長)R2【ポイント】●的を大きくつくることで,高いキャッチ精度を保持●キャッチ∼シュートまでの動作時間を短縮するとともに, 相手に妨害されにくい山なりシュートも実現【ひとこと】大会直前の練習中,R2が真っ二つに壊れるという大ピンチに見舞われたが,翌日には奇跡的に復旧。今大会「最大の試練」を完璧なチームワークで乗り切ったR1を補佐,協力プレイに強み012345ドリブルパスディフェンスキャッチシュートR1【ポイント】●ドリブルは,ボールにバックスピンをかけ手元に返って きやすくし,相手から妨害されにくいのが特徴●ドリブル終了から射出方向を変えるだけでシュートが可能【ひとこと】多くの機能を搭載したためロボットが上に大きくなったが,軽量化や加減速の制御化により,高い安定感と他大学に負けないスピードを実現したアタッカーとして相手に切り込む012345ドリブルパスディフェンスキャッチシュート