20KAJIMA202601当社グループは,「社業の発展を通じて社会に貢献する」という経営理念に基づき,良き企業市民として地域の課題解決を通じた街の価値向上を図る活動を積極的に推進している。そのひとつとして,当社が本社を構える東京都港区赤坂エリアでは,「赤坂まちづくり」と題し,フェーズフリー※の考えのもと,防災や脱炭素,地域交流などにいたる幅広い活動を行っている。今回は本活動の中で,当社グループの技術とサービスを活用し,港区の災害時対応やサーキュラーエコノミーに資する取組みなどを紹介する。#KAJIMA#kajimaステキシェアいいね!#事業活動を通じて安心で魅力あるまちへ※1自然災害へのリスクマネジメントサービスなどを提供する※2港区が2024年度に創設した制度で,多様化・複雑化する行政や地域の課題に対し,民間事業者の持つ新技術を積極的に活用して解決することで,公共サービスの利便性向上,行政運営の効率化,新たな価値を提供するサービスの創出を目指す。2025年度は23件の応募の中から,当社提案を含む計4件が採択された。応急点検チェックリストのイメージ。安全性判定基準のサンプル画像と実際の被害状況を照らし合わせることで,目視による建物の損傷度と安全性の判定を支援するAIによる判定結果のイメージ。被災箇所を撮影しシステム上にアップロードすると,AIが被害状況を認識してテキスト化し,損傷度合いを自動判定する※平常時(日常時)や災害時(非常時)などのフェーズに関わらず,有用なモノやサービスをデザインすること衛星インターネットサービス「スターリンク」とバッテリーを搭載した移動式カート。停電時や既存通信キャリアの機能不全時でも電源と通信が確保できるため,不測の事態でもAIによる損傷度判定を可能とする(当社とAndecoの共同開発)応急点検チェックリスト赤坂まちづくりの活動イメージ生成AIによる損傷度判定電源通信カート赤坂まちづくり災害時の安心・安全を提供 「赤坂まちづくり」は2022年から始まった活動で,当社開発事業本部とグループ会社が連携し,当社グループの防災技術やデジタル技術,サービスを活用して赤坂エリアの町会からの相談や防災上の課題など,様々なニーズにこたえている。 例えば,町会が保有する防災グッズや防災倉庫の鍵の管理者名は全て紙で管理されていたため,町会全員から倉庫内の保管状況などをタイムリーに知ることができる体制を整えたいとの声が上がった。そこで,当社は「防災倉庫管理アプリ」を開発。防災倉庫の保管状況や出し入れの履歴,鍵の管理状況をスマートフォンで確認でき,管理の効率化と町会会員内でのスムーズな情報共有を実現した。 また,港区では,災害時に避難所を開設する際,建物の専門知識がない区の職員などでも開設の可否を判断するために,建物の安全性を確認する仕組みづくりが求められている。この課題解決策として,当社およびグループ会社であるERS※1と連携し下記の3つの技術やサービスを提案。これらは,現在,区が進める「みなと新技術チャレンジ提案制度※2」に採択され,今後,港区の公共施設において実証実験が行われる予定となっている。避難所開設支援に向けた3つの技術とサービス地域情報ダッシュボードの開発・活用電源通信カート(つながるくん®)の開発・活用AIを活用した避難所開設支援サービスの検討・実証防災倉庫管理アプリの開発・活用商店会と連携した廃油循環プロジェクト地域の公園3D化リアルタイムな情報の発信力強化持続可能な地域経済の活性化地域コミュニティの活性化通信環境・電力供給の強化発災時の初動対応力強化持続可能な先進都市の実現赤坂まちづくり

  21KAJIMA202601※3植物油から精製されるディーゼルエンジン用の燃料。燃費や走行性能は軽油とほぼ同等で,地球温暖化防止やエネルギーの地産地消に資するものとして注目されている#赤坂エリアのまちづくり #防災への備えと対策 #廃油活用でCO2排出量削減 #サーキュラーエコノミー開発事業本部新領域・公民連携マネジメント部菅原良和部長 2025年2月,赤坂まちづくりでは新たに「AKASAKA廃油循環プロジェクト」が始動した。飲食店がひしめく赤坂地区特有の課題である「廃食用油の処理」に着目した取組みで,まちづくりのコンサルティングを担うアバンアソシエイツ,廃食用油の回収・精製のソリューションを有する都市環境エンジニアリングなど,複数の当社グループ会社が参画し,赤坂エリアのサーキュラーエコノミー実現を目指す。 廃食用油はそのまま捨てると水質悪化を引き起こすため,これまで飲食店では,回収業者に依頼し廃棄するなどの対応をしていた。そこで当プロジェクトでは,①赤坂エリアの飲食店などが商店会に廃食用油を無償で譲渡,②都市環境エンジニアリングが商店会から廃食用油を購入し,バイオディーゼル燃料(以下,BDF)※3に精製,③BDFを赤坂のまちなどで再利用するとともに,商店会には廃食用油の売買代金を支払い,まちづくりの活動に活用してもらう仕組みを構築した。 まず,アバンアソシエイツがプロジェクトについて商店会に相談。これまで培ってきた関係構築も功を奏し,地域の協力とともにプロジェクトが進み始めた。廃食用油回収後,精製されたBDFは当社が施工中の工事現場で重機や発電機の燃料として再利用し,施工時のCO2排出量削減につなげている。そのほか,山林管理や緑化造園などを担うグループ会社のかたばみが包括管理を行っている高橋是清翁記念公園でのライトアップイベントでも,鹿島リースのレンタル発電機の燃料として再利用するなど,様々な取組みを通じ赤坂のサーキュラーエコノミー実現に寄与している。現在は,4つの商店会が参画し着々と対象エリアを拡大中だ。AKASAKA廃油循環プロジェクト 2025年4月,開発事業本部新領域・公民連携マネジメント部に「新領域事業グループ」が設置されました。同グループは,未解決の社会課題に対し主体的に検討・実施する役割を担い,地方のインフラ管理や産業創造に加え,今後顕在化が予想される都市部特有の課題への対応も進めています。その代表事例が「赤坂まちづくり」です。本社所在地である赤坂をテストベッドに,地域コミュニティの維持,環境対応,震災対応力強化など都市部ならではの課題解決に向け,行政・町会・商店会と一体となり実証・実装を進めています。本取組みは,当社グループと外部企業の専門性を融合し,地域価値を持続的に高める仕組みを構築するもので,地域に関わる皆それぞれが「三方,四方,五方よし」となるものでもあります。実施には長期的視点での関係構築が不可欠で,当事業をCircularEconomy地域での再活用廃油の回収再資源化食用油の消費赤坂の飲食店やホテルが,加入する商店会に廃食用油を無償で譲渡(アバンアソシエイツが協議や手続きを支援)赤坂二・六丁目地区開発計画(A工区)で重機や発電機の燃料として活用高橋是清翁記念公園のライトアップイベントで発電機の燃料として活用(発電機はグループ会社の鹿島リースからレンタル)photo:マキノアツミ廃食用油は都市環境エンジニアリングが回収。その後,BDFに精製担当する松永さんを筆頭に谷口さん,段上さんほか,柔軟で新しい発想を持つ若手社員が中心となり,試行錯誤を重ねてソリューションをパッケージ化しました。その過程では,様々な工夫や模索を乗り越え,左から新領域事業グループ段上聖哉担当,松永和幸グループ長,菅原良和部長,谷口直輝担当messageプロジェクトの仕組み地域の方々に可愛がられ,日々多様な相談を投げかけてもらえるまでの関係性を構築してくれたことを嬉しく思います。今後は人材を拡充し,他都市への展開を目指してまいります。