18KAJIMA202602―コミュニケーションをとる際に心がけていることはありますか 打合せでは,Teamsのチャット機能や筆談,音声認識ツールなどを活用して,お互いの話を「見える化」し,視覚情報として整理することを大切にしています。音声認識ツールは誤変換が生じることもありますが,文脈から推測し,推測が難しい場合は少人数のミーティングではその場で聞き返し,多人数ではチャットを使用しています。また,音声認識の精度を高めるために会議室の利用をお願いすることもあります。 社外の打合せでは,事前に筆談や音声認識対応を希望する旨を伝えることで問題なく進行できています。電話は使わず,メールやチャットで対応していますが,緊急時にはサポートしてもらいます。キックオフ会議では,聞こえないことを必ず説明しています。最終的に,誤解なく理解し合うことが重要だと考えています。―現在の担当業務を教えてください 建築設計本部(以下,AE)デジタルデザイン統括グループでデータ活用チームのリーダーを務めており,建築・構造・設備などに関する,BIMなどのデジタル技術全般の開発を推進しています。現在はデータ活用を見据えたシステム開発を進めています。これまでにBIMソフトウェアの拡張機能や関連ツールを50件以上(250機能以上)開発し,その中には特許を取得したものもあります。さらに学生時代から研究を続けている,「ろう者や難聴者の特性に合った空間デザイン体系」についてAEのユニバーサルデザイングループと知見の共有を中心とした意見交換を行っています。当社は,障がいをもつ社員がそれぞれの能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいる。今回は,新しいことに挑戦を続け,建築設計本部でデータ活用チームのチームリーダーとしても活躍する社員を紹介する。チームミーティングの様子第4回 教え合う。学び合う。そうやって,私たちの「働く」はできていく。多様性をチカラに,次の100年をつくる!Interview杉すぎ山やま祐ゆう一いち郎ろう聴覚障がい(重度感音性難聴)建築設計本部デジタルデザイン統括グループチーフ2009年入社プロフィール博士号取得後,新卒で入社。中部支店建築設計部にて設計実務を経験。2013年より大学非常勤講師として教育活動にも携わる(現在も継続中)。2015年,BIMへの取組みを上長に提案し,試行を開始。この取組みが評価され,2017年に建築設計本部へ異動。R&D担当として構造BIM推進に携わる。2024年4月より現部署にて,BIMを含めたデータ活用に取り組んでいる。 当社は,建築を通じて社会に貢献する企業として,誰もが安心して活動できる環境づくりに力を注いでいます。 設計という仕事は,人々の暮らしや社会の未来を形づくる創造的な営みです。そのため,設計に携わる私たち自身が,多様な価値観や個性を尊重し合う職場で働くことが,より良い社会の実現につながると考えています。 障がいをもつ方々の雇用は,組織にごく自然な発想をもたらす重要な取組みです。建築の体験は,空間を知覚し,活動した時間の積み重ねにより形づくられます。体験の捉え方は人により様々であり,多様な背景や感受性を設計に生かすことで,空間はより豊かに進化し,新しい障がい者とともに働くことについて聞きました!DE&I推進委員会委員専務執行役員建築設計本部長北きた典のり夫おVoice価値が生まれます。さらにユニバーサルデザインに配慮した空間は,誰にとっても使いやすく居心地の良い場となります。 私たちは互いを理解し支え合う風土を育みながら,多様な価値観を力に変えていきます。そして持続可能な社会の実現に向け,創造力と技術力を結集し,未来の建築を切り拓いていきます。
19KAJIMA202602建築,エンジニアリングなどの最新技術に関する世界的なカンファレンス(米国開催)でシステム開発について発表する様子打合せではスマートデバイスの音声認識ツールを活用―当社での働き方をどのように感じていますか 自分の強みを活かせる環境が整っており,働きやすいと感じることが多いです。これまで,私が挑戦したいと思うことを会社は真正面から受け止めてくれました。中部支店でのBIMの取組みや,AEでのデータ活用に向けたR&D,ろう者や難聴者を取り巻く建築空間に関する研究など,どれも自分から提案したものです。こうした主体的な取組みができる環境は,障がいの有無に関係なく社員の可能性を広げてくれると感じています。 業務についても,デジタルツールが発達し,円滑に進められています。ツールで補えない部分もありますが,周囲のフォローがあるので安心です。―チームリーダーとして意識していることは何でしょうか チーム全員が自ら理解し,判断できる状態を当社は「多様性をチカラに,次の100年をつくる!」をキャッチフレーズに,DE&Iを強く推進している。このコンテンツを通じて,DE&Iへの理解をさらに深めていこう。第4回のテーマは,障がい者の働き方について。個性との向き合い方を多角的な視点で捉えてみよう。, 障がいはその人の特性の一部であり,特別視するべきものではないと考えています。しかし,障がいをもつ息子との生活と仕事を両立することは決して簡単ではありません。それでも仕事を続けてこられたのは,上司や同僚からの様々な配慮や支援が大きな支えとなったからです。私は実情を同僚に知ってもらうべく,様々な工夫をしました。全身に麻痺があり,毎日回復訓練プログラムに取り組んでいた息子をサポートするため,地域の方だけでなく,同僚にも訓練ボランティアとして支えてもらうこともありました。その中で,息子と息子に関わる方々との垣根が自然と低くなり,価 当社は障がいによる困りごと,障がい者雇用に関する悩みを相談できる外部機関の専門家直通窓口を開設しています。障がい者の就労支援に特化した専門カウンセラーが対応し,相談にあたってはプライバシーが保護され,相談者の意向を確認しながら慎重に対応が進められます。Point1障がい当事者だけでなく,誰でも相談可能です。Point2メール,オンライン面談,電話のいずれかの方法で相談可能です。相談事例値を認め合い,学び合う関係が育まれていく様子を目にしました。 多様性とは,誰もが「普通」にその場にいて,自然に受け入れられることだと思います。障がい者がいることで,新たな気づきや良い影響が生まれることもあります。それは障がい者がもつ力であり,その力を活かすことが共存や雇用の理想だと考えます。人それぞれ得意なことや苦手なことが違いますが,お互いさまの関係で理解し合い,教え合うことで「雰囲気がいいね」と思える職場がつくられるのだと思います。考えてみよう! Information KAJIMA障がい相談室 社員のみなさん社内イントラネットトップページ右上「DE&I」タブから相談方法が確認できます。Column つくることが,強い組織をつくる鍵だと考えています。メンバーにはタスクのリーダーをやってもらい,システムを「どう作るか」だけでなく,「なぜそうするのか」を自分の言葉で説明できるようにしてもらっています。―今後の目標を教えてください これまでを振り返ると,いつも「興味」が原動力でした。業務に直結するかは考えすぎず,面白そうと思うことに挑戦してきた結果が,今の専門性につながったと感じています。これからも自分の興味を大切にしながら,成長を続けていきたいです。今後は,建設デジタルと,ろう者や難聴者の特性に合った空間デザインの2つの専門性を,日々の業務でさらに活かすことを目指します。また,これまで培ってきた知見を後輩社員に伝えたり,社内で共有したりする機会を広げていきたいと思います。自分の部署に障がい当事者の方が入社されます。必要な配慮はなんですか?自分は障がい当事者です。自分の特性をどのように伝えたら上司に理解してもらえますか?障がい当事者の勤怠が安定していません。何かアドバイスをお願いします。体調不良で勤怠が安定できないでいます。障がい当事者から求められた配慮については,どこまでサポートするべきなのでしょうか?重度の脳性麻痺のあるご子息と暮らす社員Aさんの声を紹介する。Aさんの経験を通して,多様性を受け入れ個性を尊重するとはどういうことなのかを考えてみよう。