18KAJIMA202608concept名古屋伏見Kフロンティア 鹿島の自主開発による本建物は,当社中部支店も入居する賃貸オフィスビルである。計画地の「錦二丁目」は,名古屋城と熱田神宮を結ぶ街道として栄え,戦後は繊維問屋街として発展。現在も神社や寺院が点在する。地下鉄東山線・鶴舞線「伏見」駅至近,メインストリートの錦通と桑名町通の交差点に面したエリアの玄関口にふさわしい,歴史と現代が調和するオフィスビルを目指した。 本計画は,名古屋市の都市機能誘導制度を適用し,制度初となる緩和容積率156%超の認定を受けて事業性向上に寄与。さらに,適用要件の基準を上回る設計を行い,「ZEBReady」「CASBEE-スマートウェルネスオフィス」Sランクを取得した。 高層部の外観は,織物の縞文様をモチーフに,エリアの発展と企業の成長を象徴する縦のラインを強調したデザインとした。三面をガラスとするファサードは,外皮負荷や周辺環境への配慮から開口面積を抑え,押出成形セメント板とガラスカーテンウォールを交互に配置。さらに,壁面から大きく張り出したサッシ方立の側面に自然換気と設備給排気スリットを組み込み,ミニマルな意匠にまとめた。低層部は,街並みとの連続性や空間尺度に配慮して計画。錦通に面する南側は大きなスケールの庇とキャンチスラブで水平ラインを強調し,西・北側は歩道沿いに愛知県産の天然木ルーバーを約50mにわたり設置している。スケールの対比を生み出しながら,オフィスワーカーや来街者に温もりのある歩行者空間を創出した。 さらに,事業者である当社開発事業本部による商品企画として,オフィスワーカーが快適に利用できる共有部を充実させている。1階には災害時に市の退避施設となるロビーに隣接してテナント専用の「FLOUNGE」を設け,集中業務や会議,食事,リラックスなど多様なワークスタイルに応じて活用できる空間を提供。屋上には眺望を活かした約450m2の「ROOFTOPTERRACE」を整備した。交流・ワーク・リラックスの特徴ある3つのエリアで構成され,豊かな緑の中で木漏れ日や風を感じながら多様な働き方をサポートする快適な外部空間となっている。(小西啓之・國貞幸浩)conceptテナントビルとしてのウェルネスオフィス122ページに関連記事掲載

19KAJIMA2026081:水平線と鉛直線のコントラストが特徴的な外観ディテール2:連続する天然木ルーバーが歩道空間を演出3:大通りの賑わいとつながる「FLOUNGE」4:錦通に面した大きなスケールの水平線5:3つのエリアで構成される「ROOFTOPTERRACE」6:天空に伸びる縦ラインの南側全景・・・・國貞幸浩(くにさだ・ゆきひろ)中部支店建築設計部専任次長主な作品:JFEエンジニアリング津製作所社屋(5号館)ドーミーインPREMIUM名古屋栄中部プラントサービス本店大江WELLコート山手小西啓之(こにし・ひろし)中部支店建築設計部専任部長主な作品:中部精機本館シーテック大高ビル内堀醸造本社事務所・食堂伊藤商会中之郷ビルディング名古屋伏見Kスクエア36245・・・・・photo:川澄・小林研二写真事務所船来洋志・佐藤大青