特集:屋外競技場にドームをかける
Step1 ドーム屋根がかかるまで
1回目のシーズンオフに 観客席の上にドーナツ型の屋根を 地鎮祭が行われた1997年7月7日は、まだプロ野球シーズン真っ盛りであった。シーズン中は、わずかな間隙をぬって工事を進めざるをえなかった。野球の試合や催物がある時であっても、閉門してから、開門するまでの時間を最大限に利用してきた。こうした条件の下で、屋根を支える杭基礎を少しずつ施工した。 昨シーズンのプロ野球パ・リーグは、10月12日に全日程を終了した。しかし、西武ライオンズは既にリーグ優勝を決めており、日本シリーズでプロ野球日本一を競うことになっていた。結局、本格的な作業は27日から、1999年2月末の完成を目指して始まった。
Step2 ドーム屋根がかかるまで
2回目のシーズンオフに グラウンドの真上を膜屋根で覆う
グラウンドの真上を一重膜屋根で覆う工事は、1998年10月から本格的に始まる。鉄骨を格子状に地組みして膜を張り、油圧ジャッキを用いてリフトアップするのである。そして、1999年2月末、名実ともに西武ライオンズ球場はドーム球場に生まれ変わって、私達の前にその威容を現す。
ドーム屋根は新技術・工法でかける
既存施設のドーム化改修の場合,新築の時以上に短い工期が求められる。既存施設の稼働を極力止めないようにするためである。当社では、既存施設のドーム化だけでなく、新築の場合にも応用可能な、数々の新しい施工技術を開発・実用化して工期短縮を図っている。
ドームをかければ多目的利用にも
ドーム屋根を持つ競技場は,雨や風などの気象条件に左右されない。単にスポーツのための施設としてだけではなく,コンサートや展示会といったイベントの会場などとして多目的利用に,これまで以上に可能性が広がる。当社では,既存競技場のドーム化をはじめとするリニューアルに対する提案を積極的に行っている。