現場から: |
日本最大級の石炭サイロをつくる
--土木と建築のJVで |
徳島県阿南市橘湾に浮かぶ小勝島の西側。四国電力と電源開発の共同立地による橘湾火力発電所の建設地において今,国内最大級の石炭サイロ建設が進められている。
●橘湾火力発電所の石炭サイロ
石炭サイロとは,石油やLNGの貯留タンクに相当する。当社が施工しているのは四国電力サイロ4基と電源開発サイロ4基。ともに1基あたり7万tの貯炭能力をもつ国内最大級の石炭サイロである。
サイロは貯炭筒体と払出しホッパー部からなる。船舶で運搬された石炭は揚陸後サイロ上部から投入される。そして発電に必要な量が底部ホッパーから送り出され,地下トンネルをベルトコンベアで発電施設へ運ばれる。

橘湾火力発電所完成予想パース |
●リングビーム型のスリップフォーム工法で筒体壁を構築
スリップフォーム工法はヨークと称する門型フレームに型枠・作業構台・足場を取り付け,コンクリートに埋め込まれたロッドで支持し油圧ジャッキで押し上げていく工法だ。本工事では,作業構台を兼ねた鉄骨をリング状に組み,筒体壁の垂直及び真円施工精度を高める工夫もされている。
 建設中の四国電力サイロ(手前)と電源開発サイロ
円筒体の底にリフトアップ前の屋根部分がある |

電源開発サイロ
立断面イメージ |
四国電力サイロ
立断面イメージ |
●屋根鉄骨をリフトアップ
屋根鉄骨は地上で地組され筒体構築後約45mリフトアップしてセットする。筒体施工に併せて屋根を上昇させる方法が一般的だが,屋根の風荷重の影響を考え,完全に筒体が完成してから屋根部分をリフトアップさせる方法を採用した。
四国電力橘湾発電所新設貯炭サイロ工事
<工事概要> |
場所 |
徳島県阿南市橘町小勝1番地先 |
発注者 |
四国電力 |
設計 |
当社設計・エンジニアリング総事業本部
三井建設 |
規模 |
基礎・ホッパー部・筒体 RC造,屋根 S造
延べ1661.9m2,高さ70.6m,内径46m
貯炭能力70,000t×4基 他 |
工期 |
96年12月〜99年9月 |
施工 |
鹿島 四国支店JV |
電源開発橘湾火力発電所新設工事
石炭サイロ新設工事第2工区<工事概要> |
場所 |
徳島県阿南市橘町小勝1番地先 |
発注者 |
電源開発 |
設計 |
開発設計 |
規模 |
基礎・ホッパー部・筒体 RC造,屋根 S造
延べ1,661.9m2,高さ74.5m,内径46m
貯炭能力70,000t×4基 他
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工期 |
96年11月〜2000年2月 |
施工 |
鹿島 四国支店JV |
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