AFTER 5 YEARS |
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名古屋駅から30分という至便なアクセスの名古屋港水族館。 その第二期計画として大型海獣専門の水族館(北館)がオープンしたのは2001年秋である。 これまで以上にエンターテイメント性が高まり,順調に来場者数を伸ばしている。 子供からお年寄りまで,幅広く楽しめる都市型水族館の魅力に迫る。 |
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大型海獣専門の水族館 |
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海に潜ったかのような空間体験 北館建設時に所長を務めた渡邉忠司さん(現・日東電工亀山工事事務所長)に案内してもらった。 北館の見どころは何といっても,空間演出の巧みさにある。エントランスゲートを抜けると,トップライトのガラスに張られた水面が壁や床にゆらゆらと映りこみ,いきなり海に潜ったような気分にさせられる。大型海獣の水槽はどれも大きく,それに合わせて順路も広く設けられており,ゆったりと歩き回りやすい。 つづく水槽でイルカやシャチの歓迎を受けたあと,ひときわ大きな水槽が現れる。階段状の客席が設けられた,「アンダーウォータービュー」と呼ばれるこの水槽は,真上に設けられたスタジアムのメインプールの水中部にあたるスペース。その名のとおり,パフォーマンスに出演中の海獣たちの水中での躍動を見られるようになっているのだ。訪れたときにパフォーマンスが上演中でなくとも,がっかりすることはない。巨大な水槽ごしに入りこむ光が室内を真っ青に染め上げ,幻想的な空間を体験できる。 アンダーウォータービューのアクリルガラスは380mmという厚さだ。「接合には泣かされた」と渡邉さんは振り返るが,その継ぎ目はきわめて滑らか。丁寧な仕事ぶりがうかがえる。 ちなみにメインプールは1万3,500tもの水を湛え,世界最大級の容量を誇る。そしてその大きさは,水面下からスタジアムへ上がると実感できる。3,000人が収容できるというスタンドと水中の様子を映し出す大型スクリーン。水深12mから勢いをつけたイルカの大ジャンプの迫力には,誰もが心を奪われる。 |
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大型海獣たちの快適な家 類を見ない規模と見事な空間演出で訪れる人々を魅了するこの水族館で,一見して気づくのが,水槽の中の見通しがよいことだ。どれも明るく,綺麗できちんと管理されているという印象を受ける。「工事が終わってからも,一貫してメンテナンスのお手伝いをさせてもらっています」と渡邉さんは言う。名古屋港水族館とのつきあいは南館の建設から続く。 パフォーマンスの合間に,スタジアムのバックヤードに案内してもらった。休憩時間といっても,イルカたちは水槽の中を元気よく泳ぎ回る。館内を歩き回る渡邉さんのもとに,次々とスタッフたちが集まってきて,歓談が絶えないのも印象的だった。 渡邉さんは北館が竣工してからも何度も足を運び,水族館のスタッフの要望に応えてきた。心配りはアクリル水槽のシール剤のわずかなほころびの補修にもおよぶ。やんちゃなイルカたちが興味津々でかじってしまうのだとか。「水槽はいわば海獣たちの家。きちんとチェックして,居心地のよい環境をつくってあげたい」。水族館運営の影の立役者と言えるだろう。 ここでは,海の生き物にまつわる学習プログラムからエンターテイメント性あふれるイベントまで,季節を問わずさまざまな話題を提供している。夏は「ナイト・アクアリウム」と称し,開館時間を20時まで延長して,夜の水族館を楽しめる趣向も予定される。幻想的な夜の水中散歩――日中の万博めぐりでほてった身体を冷やすのに,一度立ち寄ってみてはいかがだろうか。 |
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