既設ダムを嵩上げして貯水量をふやす

山王海ダム建設工事

 山王海ダムは、岩手県紫波郡紫波町にある。この既存のダムは、北上川水系の滝名川をせきとめたアースダムで、当社の施工により昭和29(1954)年に竣工した当時は、東洋一の土えん堤を誇っていた山王海ダムだが、最近では農地面積の増加や、農業の機械化による農業用水需要の増加に応じきれなくなってきた。このため、既存のダム(以下旧ダムと表記)に貯めてある水を、農業用水として使用しながら、貯水量を増やす必要に迫られたのである。
 日本ではコンクリートダムの改築の例が、これまで10数件あるだけで、この規模のフィルダムの改築はここが初めてである。
 この山王海ダムは、将来、同じ北上川水系の葛丸川の葛丸ダムと2本のトンネルで結ばれ、常に両方のダムに効率よく貯水できるような仕組みの、日本では珍しい親子ダムになる。


新ダムの堤体盛り立て作業、
旧ダムの堤体を下流側から望む


写真は月報KAJIMAより転載

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