テクノプラザ: 汚染土壌の問題は,重大な環境問題であるとともに,土地の資産価値に関わることから経済的にも大きな問題である。しかし,現状では調査や対策がまだ始められたばかりで,汚染のメカニズムも未だに解明されていない部分が残っている。 ●汚染土壌はどんなもの? 現在問題となっている土壌汚染物質は主に重金属や油,揮発性有機化合物などが挙げられる。重金属は土に吸着しやすいため地表面近くに留まる。油は液体なので帯水層まで浸透し,比重が水より小さいことから,地下水面付近で拡散する。揮発性有機化合物の多くは粘性が小さく,比重が大きいため難透水層上部まで浸透し,帯水層内で拡散する。このように,汚染の形態は,汚染物質の性質によって異なる。
●汚染土壌の対応法法は? ステップ1 調査 汚染土壌がどの程度のものかを把握するためには,まず対象となる地盤や地下水を調査することが必要だ。当社は,任意の深度の地下水を正確に採取する技術など,独自の調査技術を有している。さらに,より迅速な原位置での汚染調査技術の実用化をめざして,開発を進めている。 ステップ2 解析・評価 対象の地盤や地下水の調査結果を,各種の解析プログラムを使うことによって,汚染物質の移動や拡散などを評価し,予測することができる。たとえば,当社が独自に開発した物質移行解析技術は,地下水中に流出した汚染物質の移動をシミュレーションによって予測するプログラムである。これらの予測結果によって,適切な対策をとることができ,コストの面でも効率的だ。 ステップ3 対策立案・施工 当社では,重金属の不溶化処理技術を始めとして,様々な汚染物質に対して有効な対策技術を開発している。油については,汚染の濃度によってそれぞれ方法がある濃度が高い場合,微細気泡によって洗浄する気泡連行法,また低い場合には生物の分解能力を利用した生物処理法がある。揮発性有機化合物については,汚染の濃度が高い不飽和地盤から,原位置で汚染物質を取り除くガス吸引法がある。
●土壌の汚染を防ぐには?
エンジニアリング本部 土壌環境室(TEL03-3746-6908)まで
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