汚水を漏らさない多様な要素技術
当工事では,浸出水が外界へ漏れることのないよう,様々な技術が導入されている。埋立地に架ける屋根によって大雨による多量の浸出水は防げるが,廃棄物自身に含まれる水や,廃棄物安定化のために散水する水は浸出水として排水されるため,処理対策は万全でなければならない。施工を管理する太田所長に浸出水処理について伺った。
「埋立地底盤には浸出水集排水管が四方に布設されています。浸出水はこの集排水管から原水ピットに集まり,ポンプアップされ併設する浸出水処理施設へと送られます。そこで高度な水処理を行って,無害とした後放流します。ただし周辺は農村地帯なので,約4q先まで放流管を伸ばし,直接農業用水に排水しないよう配慮されています」。
埋立地の表面には,高密度ポリエチレン製の遮水シートを二重に敷設している。上層のシート下には補助管が設置され,更に下層のシートでガードする構造となっている。また,万一遮水シートが破損した場合に備え,電気式漏水検知システムを設置している。これは遮水シートが電気的に絶縁物である特性を活かしたもので,遮水シートの下にセンサーを碁盤の目に張り巡らせ,浸出水が漏れた場合に流れる電流をセンサーが検知し,速やかに管理室のモニターで確認できるシステムだ。浸出水により周辺環境が破壊されることのないよう,万全の設備が整えられている。
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