京都府相楽郡木津町−奈良県と境を接するこの木津町の高台に京都の特産品である竹の子をイメージしたユニークな構造物が姿を現した。今月はこの「竹の子」の現場を訪ねた。
![]()
木津町を含む大阪・京都・奈良の三府県にまたがる地域に,21世紀のパイロットモデル都市を目指した国家プロジェクト・関西文化学術研究都市の建設が進んでいる。木津地区では,企業の研究所などの進出と共に大規模な宅地開発が進んでいる。「木津南配水池」は,それに伴った人口増加や研究施設の立地による水需要に対応すべく建設されている。 この配水タンクは径と高さの違う円形の壁を六重に重ねていくことで,竹の子をイメージするシンボリックな外観を構築している。 貯水タンクの部分はプレストレストコンクリート(PC)構造,その他の部分は鉄筋コンクリート(RC)構造である。PC構造はコンクリート構造の中にPC鋼線,PC鋼棒を入れて緊張させる工法で,橋梁などで多く採用されている。桶のたがをしめるのと同じで内側からの水圧にも十分耐えられる構造となる。RC構造よりも壁圧を薄くできる。 学研としには景観委員会が設けられており,里山景観の保全に配慮した街造りが行われている。完成後は配水タンクとしてはもちろん,竹の子のふるさと木津町のシンボルとしての役割を期待されている。
|