現場から: |
緑とガラスのたまごづくり
--新潟市民芸術文化会館建設工事 |
上越新幹線で新潟到着のアナウンスが聞こえてくる頃、車窓にモスラの卵のような建物が見える。これがいま当社が施工中の
「新潟市民芸術文化会館」である。完成すると、3つの専門ホールを包み込むようにガラスの外壁と緑化された屋上で覆われ、周りの空中庭園と合わせて、市民の新たな芸術文化施設、憩いの場となる。
▲信濃川のほとりで工事は佳境に入っている。
●全面がガラス張り
この新潟市民芸術文化会館は全面がガラス張りであり,DPG(Dot Point Glazing)工法※を採用した強化ガラス壁とカーテンウォールガラス壁で囲まれている。DPG工法は2m角の強化ガラスを金具4点だけで支持するものでサッシや枠がいらない。これにより限りなく透明に近いガラス建築が可能となった。
▲ガラス壁設置作業中。DPG用強化ガラス(2m×2m)1278枚、カーテンウォールガラス(1m×2m)1362枚を設置する。
●独立した3つのホール
この建物は音楽ホール,演劇ホール,能楽堂の3つの専門ホールを持つ。他のホールに音が響いたり,影響を及ぼせば,質の高い演奏や舞台はつくれない。そこで,構造体としての躯体と各ホールを,防振ゴムやグラスウールで縁を切ることで音を遮断する工法が採用された。「ちょうどゴムやグラスウールを敷き詰めた大きな箱の中にホールという箱が入っているかたちなので,BOX
in BOX(浮構造)と呼んでいます」と現場を案内してくれた仲山工事課長はいう。
▲浮構造にするため、このような防振ゴムが3つのホールで48種類、6751個使われている。
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