テクノプラザ: 風環境を科学する
        風環境予測検証技術から快適環境をつくる

大気圏では、風が吹くのは自然の摂理である。そよ風は心地よくても、それが突風や暴風となるとさまざまな不都合が生じ、時には大きな被害をもたらす。風といかにうまく接するか。今回は、風という自然現象に対する当社の取り組みを紹介する。

市街地再開発風洞実験



●いち早く、風と構造物の関係に注目
 当社は1971年、業界に先駆けて「風を研究する専門のグループ」を技術研究所に発足させ、1972年には業界初の風洞を完成させた。
 以来、風が構造物や周辺環境に与える影響を多角的に検討し、多くの成果や実績をあげてきた。

●研究体制,設備ともに建設業界トップ
 1997年4月には、長大化する傾向にある橋の耐風性などを検討するために、土木構造物を実験する設備を整えた。これにより、土木・建築両分野の風洞実験が可能となった。
 現在、3基の風洞が完備され,建設業界一の規模とシステムを誇っている。
 また、気流を数値計算で予測(=数値解析実験)したり、実際の構造物に働く風の荷重を計測(=現地観測実験)するなど、解析手法を駆使している。

斜張橋の振動実験



●風の挙動を調べると
 風のメカニズムの解明は、積雪地域の環境の改善。大気拡散に対する環境アセスメント。塩害防止対策−など、風が起因する諸問題を解決するためにも貢献している。

●風と共存共生するために
 幅広いニーズに対応できる体制が整った現在、これらの研究開発などにより構築したノウハウを標準化し、全国の支店・現場へ展開すべく準備を進めている。