人間社会は,地域や地球全体といった生態系の中で成り立っています。そこには自然の物質循環があり,人類は永らくそこから来る資源を享受し,そこに備わっている回復力に依存して共生してきました。20世紀は,科学技術の進展が生活の豊かさや利便性をもたらしましたが,その反面,自然の包容力を超えた過剰な資源・エネルギーの消費,化学物質の生成・使用が急速に進み,森林破壊,地球温暖化,オゾン層の破壊,ダイオキシン・PCBなどの有害化学物質汚染や廃棄物等の環境問題を引き起こした世紀でした。 21世紀においては否応なく,世界各国が,個々の市民・行政・団体・企業等が,これら課題の克服に向け本格的な取組みを一致して進めていかなければなりません。当社は,建設生産を中心とした自らの事業活動の環境負荷低減を図ると共に,人と自然に優しい様々な環境技術・システムを開発し,提供してきました。今世紀は,土壌浄化,水質浄化,ビオトープ等,失われた生態系を取り戻す技術の活用に引き続き力を入れるとともに,廃棄物再生建材,生ごみ発電,風力発電のための風況シミュレーション,太陽電池等の環境エンジニアリングの活用により,資源循環型社会の実現や地球温暖化の防止にも寄与していきたいと考えています。 昨年10月には,これらの提供窓口として環境本部を発足いたしました。今月から始まった「KAJIMAエコプラザ」では,次月号以降,当社の環境への様々な取組みをご紹介していきます。
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