特集:2006年 アジアの風景![]() |
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「21世紀はアジアの時代」といわれる。 21世紀の世界経済の発展にとって,ダイナミズムを増すアジア経済は一段と大きな存在に成長している。 そのアジア各地で,鹿島グループはホテル,住宅,交通システム,工場,空港,道路,ダムなど多彩なインフラの整備に関わり,地域経済に貢献している。 プロジェクトの多くは新しい年に引き継がれた。 2006年アジアの風景――。その中からいくつかを紹介し,併せて各地のお正月模様もお伝えする。 |
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ミレニア・シンガポール 新ビジネス地区・カジノ地区として再開発計画が目白押しのマリーナ・サウス地区。その対岸に位置するマリーナ地区の看板複合開発がミレニア開発である。リッツ・カールトン,コンラッドの2つのホテルに加え,ミレニアおよびセンテニアルの2つのオフィスタワー,さらにはショッピングモールのミレニアウォークで構成される。敷地8万m2余,延床29万2,000m2の複合施設だ。 これらの施設群を企画・運営しているのがポンティアック・マリーナ社である。同社は,当社のアジア地区統括現地法人KOA(カジマ・オーバーシーズ・アジア)とシンガポールの大手ディベロッパーであるポンティアック・ランド社の共同事業会社だ。いずれの施設も高い稼働率を誇っており,2010年に開通予定の地下鉄環状線「プロムナード駅」が敷地内に開業することから,さらなる活況が期待されている。 |
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セントリージスホテル・コンドミニアム建設工事 KOAのお膝元でもあるシンガポールでは,目抜き通りのオーチャードロード西端でホテル・最高級コンドミニアムの複合建設プロジェクトを,KOAと地元企業とのJVが担当している。現在は,地下および一部地上躯体の施工が急ピッチで進む。六ッ星と称される客室数299のハイグレードホテルのグランドオープンと,173戸のコンドミニアムの供用開始は2007年下半期の予定である。 |
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セントーサ・エクスプレス・プロジェクト シンガポール最大の観光地であるセントーサ島は,政府による島全体の大規模なアップグレード計画が進行中だ。その中で注目度の高い事業が,本島とセントーサ島を結ぶ新型モノレール。島へのアクセスと島内移動のための輸送力・利便性を一気に高める新しい交通システムである。KOAは橋脚・軌道桁の建設を担当し,現在は総延長2.1km,217本の桁の敷設を高い精度でほぼ終えた。モノレールの開通は2006年末を予定しており,ニューセントーサへの衣替えと併せて寄せられる期待は大きい。 |
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基隆河分水路トンネル建設工事 台北市を東西に横切る基隆河。同市の上流約30kmにある瑞芳には,観光地として有名な戦前の金鉱山跡の街「九 ![]() |
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宏盛帝寶新築工事 台北市の中心部に,2002年1月から工事を進めてきたハイグレード集合住宅「帝寶」が,昨年12月完成した。施主は台湾の大手不動産会社・宏盛建設,設計は三大建築師事務所,丹下健三・都市・建築設計研究所(外観設計),織本匠構造研究所(構造監修)である。 紫禁城太和殿の皇帝の玉座を表現した配置が設計コンセプト。随所に荘厳な彫刻と大空間,風水を取り入れた水池が織り交ぜられている。1住戸の面積は広く160坪,210坪,260坪の3種類で,セキュリティも万全。夜はライトアップされ,斬新な外観デザインを引き立てている。 |
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タンソンニャット国際空港ターミナル建設工事 タンソンニャット国際空港は,ホーチミン市のダウンタウンまで車で約30分という好立地にある。しかしベトナム戦争終結から30年が経過し,ベトナムで最大の旅客輸送を誇るターミナルビルが手狭になってきた。 そこでODA資金協力により,2010年の国際航空旅客需要にも対応できる新国際旅客ターミナルビルを建設することになった。 現在はコンクリート躯体がほぼ完成し,鉄骨・外装工事にとりかかっている。2007年春に完成し供用が始まる予定だ。 |
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スナヤン・スクエア・プロジェクト 首都ジャカルタ中心部の南端に位置する複合商業施設である。約20haの敷地に高級ショッピングセンター,オフィスビル,高級コンドミニアムが並ぶアジア最大級の開発事業だ。KOAが1989年開発に着手。96年にショッピングセンターを開業して以来約10年が経過し,市場での高級ブランドイメージが定着した。現在,KOAの傘下にあるSTS社(P.T.Senayan Trikarya Sempana )が事業運営を行っている。 インドネシアの政情不安などで一時事業が中断したが,昨年,飲食・スポーツクラブなどを中心とした小型商業施設「プラザスナヤン・アルカディア」がオープン。現在,28階建ての超高層オフィスビル建設が進行中である。 |
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バンコク環状産業道路建設工事 恒常的に激しい交通渋滞に見舞われる首都バンコクの各地で,いま大規模な道路インフラの整備が行われている。バンコクに隣接するサムパカン県で当社JVが建設を進める環状産業道路は,都市部と近郊の産業地域をダイレクトに結ぶことで,都市部の慢性的な渋滞の緩和を図る。将来は現在建設中の外郭環状道路と接続し,バンコクの大動脈として機能することが期待されている。 この環状産業道路は総延長34.9km。このうち当社JVは,主要幹線道路であるスクサワット道路接続部からセントラルインターチェンジまでの約3kmの高架橋建設を担当する。現在工事は全橋脚が完成し,大型移動支保工を使用した上部工の建設中で,全31スパン中27スパンまで施工を完了した。供用開始は2006年12月の予定。 |
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ダウリガンガダム 首都ニューデリーから北東に約680km。ネパールとの国境・ウタランチャル州に建設された。慢性的な電力不足に悩むインドの新しい電力供給源として期待される水力発電所である。 2000年1月着工。当社JVは,コンクリート表面遮水型ロックフィルダム(CFRD)と導水路トンネルなどの施工を担当した。ダム建設地点の河床砂礫が非常に深く,砂礫を取り除くことが困難なため,ダム上流端に厚さ1m,深さ70m,面積8,000m2のコンクリート連壁を施工して,ダムの止水対策を図った。工事途中には右岸法面の大崩壊に遭遇し,補修工事などを含め工期が1年ほど延長する難工事となったが,2005年3月,試験湛水を迎え,同年11月,満水位に達した。 |
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東京濾器(蘇州)有限公司工場建設工事 経済の発展に伴い自動車の普及が爆発的に伸びる中国は,自動車関連企業の積極的な投資が行われている。中国とシンガポール政府が共同開発する蘇州工業園区では,近年日本をはじめとする外国企業による設備投資が加速。当社の基本設計・施工で工事が進む自動車排気ガス浄化用触媒,コンバータの生産工場「東京濾器(蘇州)有限公司工場」もそのひとつだ。 2005年9月着工。軟弱地盤の対応策として,長さ26mの杭1,079本を打設する難工事が無事完了した。1月末の旧正月を前に,RC造のユーティリティエリアと倉庫エリアの建設が急ピッチで進められ,2月からは鉄骨建方の作業がスタートする。長さ36mというロングスパン鉄骨梁を採用し,生産ラインの自由度を高めた最新鋭の工場は,2006年7月竣工予定である。 |
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ホンダフィリピン新工場建設工事 首都マニラの中心地から南へ55km。標高1,144mのマキリン山麓に広がる工業団地「ファースト・フィリピン・インダストリアルパーク」内に建設される2輪車製造工場である。約20万m2の敷地に事務所棟(RC造 2F),工場棟(RC造 1F),倉庫棟(RC造 1F)など総延床面積4万8,000m2の施設が整備される。起工式にはアロヨ大統領を来賓に迎えるなど,注目されるプロジェクトとなっている。 設計・監理を鹿島デザインアジアが,施工を鹿島フィリピンが担当。2005年3月に着工し,大規模な造成を含め約4ヵ月という短工期で施設の一部を引き渡した。この2月末には全棟の引渡しが完了する予定である。 |
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