クローズアップかじまじん
花と緑いっぱいの現場事務所!
関西支店 神戸地下鉄中之島JV工事事務所 所長 刈谷 健彦さん

 港町・神戸で施工が進む神戸地下鉄中之島JV工事の事務所は,一年中,四季折々の花であふれている。その植栽,手入れを行っているのが,所長の刈谷健彦さん。同現場はこの春,「第17回ひょうご花と緑のコンクール」で兵庫県議会議長賞を受賞した。花と緑いっぱいの現場事務所に,刈谷所長を訪ねた。




刈谷 健彦 かりや たけひこ
1973年入社,土木設計本部,関西支店土木部などに勤務。1983年から9年間,保津峡の鉄道工事に従事,95年から同現場所長。現在,神戸営業所土木部工事部長を兼務。50歳

 現場事務所はJR神戸駅近く。敷地へ入っていくと,剪定ばさみを手に,花の手入れをしているおじさんが…。もしや…。やはり刈谷所長である。現場事務所を初めて訪ねたお客さんに,「すんません,事務所はどこでっか?」と,声をかけられることがよくあるそうだ。「花壇の手入れのおっちゃんに,よう間違えられますわ」と刈谷所長。
 さて,現場事務所は写真の通り,色とりどりの花で埋め尽くされている。始めたきっかけは?「この工事は神戸市の震災復興事業の一環でもあります。95年の工事開始当初,付近には震災で傾いたままのビルが多く残されていました。そんな街のなかで更に無機的な土木構造物を造るわけですから,それならできるだけ生き生きとした潤いのある場所を提供したい。過密した都市の中で24時間工事を行う職員・作業員らはもちろん,地元の方々に安らげる場所を提供できればと思い,花壇をつくりはじめたのです」。敷地の囲いもネットフェンスにして歩道を歩く人からも花々が鑑賞できるようにし,花壇のまわりにベンチとテーブルをセット。自動販売機も設置し憩いの空間を提供している。
 ベビーカーを押した若いお母さんが「見せて下さい」と事務所の中に入ってくることもある。「この花はなんていう花ですか?」「手入れが大変ですね」などと近所の方も声を掛けてくれる。花の中には井保関西支店長からもらった苗や,地元の人や作業員さんと交換した苗などが元気に育っている。「そういった交流がとてもうれしいですね」と微笑む。
 「花の手入れで一番大切なのは日々のメンテナンス。愛情を注ぐことが大切です。女性に対してもそうですね(笑)。仕事も同じで,『現場運営も愛を持って楽しくやろう』と若い社員に言っている」そうだ。
 趣味は家庭でのガーデニングの他にもエアロビクス,スキューバダイビング,山歩きなど。「普段仕事で右一杯に振れた針を,週末のエアロビクスや花との語らいで左に戻す。そういうバランスを考えないと,いつか振り切れてしまうと思うんです」。
 この現場の前に9年間従事したJR西日本・保津峡(京都府亀岡市)の現場を去るとき,工事跡地にコスモスと桜の苗木を植えた。今でも2年に1度,関係者が集まって観桜会を開いている。「全国の鹿島の現場で桜を植える活動が広がればいいなぁと思っています。いい仕事をするのは当たり前,それプラス地域への還元,自然への感謝を込めて環境の創造にも貢献できれば」と熱く語った。


花壇 花壇

気をつけていることは「一年中花が絶えないように。また,気持ちが明るくなるように,明るい色の花を植えるようにしています」そうして植えた植物は150種類にも及ぶ