極める![]() |
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![]() 「主催者には,ものづくりの強い意志と夢があります。その土地が持つエネルギーがあります。設計者はそれらにストーリーを与え,かたちに昇華するのが仕事。あなたの夢はこれでしょう?と想いを一つにできたとき,至福の喜びを感じるのです」と語る。決して設計者の我を主張するのではない。主人公は,あくまでもそこに集う人々であり,設計者の役目はその舞台を整えることと断言する。コンペに当選するためには,主催者や審査員の夢に想いをはせ,理解することが何よりも重要なのだ。 |
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![]() コンペに当選した後,建物の具体的なデザインを固める段階では柔軟さも発揮する。実施段階では,さまざまな規制や施工条件などをクリアする必要があり,必ずしも提案時のプランがそのまま実現されるわけではない。「その場合はカード,つまり手法やデザインを変えるのです。ただし,コンセプトは変えません」。企画設計段階でのプランナーとしての役割,その後のデザイナーとしての役割,双方は等しく重要で,実施段階まで手がけた仕事にはやはり大きな想い入れがあると言う。 日頃は,集中力を高めるために教士として剣道場で心身を鍛練する大野さん。いま,一番興味があるのは「都市とまちづくり」と語る。「想い」を大切にものづくりを進める達人の姿勢は,これからも,より大きな都市と建築の夢に広がりを見せながら結実していくであろう。 |
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