KAJIMAエコプラザ


KAJIMA ECO PLAZA

建物の運用段階における省エネ
人類が今世紀中に解決しなければならない地球温暖化の問題。
その原因となる温室効果ガスの約6割はCO2で占められており,大半は石油などのエネルギー燃焼が原因とされています。今月のエコプラザは,建物が消費するエネルギーの話です。

ビルオペレーションドクターで消費エネルギーを低減
 オフィスやホテル,商業施設など,私達の周りにある建物には,空調設備や照明設備,エレベーター,給湯設備,厨房など,エネルギーを消費する多くの機器が設置されています。1973年の石油危機以降,エネルギー消費量は,建物の床面積の増加やオフィスのIT化,空調設備の需要の高まりを背景に増加してきました。
 通常,これらの機器の運転管理は建物内の中央監視室で行っています。しかし,システムの自動化は進んでいるものの,運転の実態の把握や効率的な運転が行えているかの評価が不十分であり,コストやエネルギーを抑える合理的な維持管理ができていないのが現状です。
 このような状況において,今日エネルギー消費機器にセンサーを取り付けるなど,ITを活用して効率的に運転し,エネルギー低減を実現するBEMS(BuildingEnergy Management System)が注目されています。
 当社が開発したBEMSは,「ビルオペレーションドクター」と名付けられ,当社の設計・施工で1998年に完成したJR九州小倉駅ビル(福岡県北九州市)に導入しました。今年の空気調和・衛生工学会で技術賞を受賞するなど高い評価を得ています。
 このシステムは,中央監視室に設置したパソコンと建物の設備機器とをネットワークで結び,専用のソフトウェアによって運用します。建物の管理者は,それぞれの設備機器の運転状況をパソコン画面に表示されたデータから分かりやすく,リアルタイムに把握・評価することができます。また,システムを通じて得たデータは,ISDN回線などの通信回線を利用して遠隔監視ができるため,建物オーナーの管財部や設備設計者などの専門家による診断も容易となっています。
 なお,ビルオペレーションドクターの機能(下図参照)は,既存の設備システムにも対応できるよう,建物の規模などの状況に応じて選択することができます。あらゆる用途の建物に対応しますが,ホテルなど特にエネルギーの消費が多い建物や管理の難しい建物に最適と言えるでしょう。
 当社では,「ビルオペレーションドクター」の他にも,簡易なビル管理システムを開発しており,顧客のエネルギー管理の要請に幅広く応える体制を整えています。豊富な経験と技術から,竣工後の建物運用段階でも適正なアドバイスを行っています。
ビルオペレーションドクターの構成事例
ビルオペレーションドクターの構成事例

ビルオペレーションドクターの6つの機能
(1) エネルギー管理機能
エネルギー消費量の評価や,エネルギー消費と室内環境との関係について分析
(2) 室内環境管理機能
温度,湿度などの室内環境を管理
(3) 設備運用管理機能
空調・照明設備の運転管理
(4) 省エネルギー制御機能
熱負荷予測技術などを利用した高度な省エネ制御を行う
(5) 異常検知診断機能
ポンプや送風機など設備機器のデータから異常を検知する
(6) 検収機能
各設備機器が設計条件通り機能しているかを分析し,再調整の必要性などの情報を提示