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かじまじん:

シールド工事現場から,発明の達人登場
   <東北支店郡山営業所 小林 賢二さん >



 今回は,シールド工事を中心にこれまれ30か所近くの土木工事現場を経験し,現場に役立つ発明品の考案者として活躍している,いわき植田幹線JV工事事務所機電課長の小林賢二さんをご紹介します。


小林賢二さん
こばやし けんじ
1971年入社。神田川調節池,台北板橋地下鉄線等,トンネル工事を中心に土木工事現場を担当。専門は機械電機設備


 福島県いわき市の鮫川河口付近では,現在トンネル延長450mの河川横断シールド工事が進んでいる。セグメント内径2mの小断面シールドで,発進立坑も7.2×4.6mと狭い。しかしここにはいっぺんに3台の転倒ズリ鋼車を吊り上げる装置がある。これを発明したのが小林さんだ。

小林さんの発明は幅広い。内径1.35mの小断面シールド内を移動できる改造自転車や,法面を自由に移動しながら施工できる「法面汎用削孔機」など,多くの賞を受賞しており,特許を取得しているものもある。

小林さんが発明に目覚めたのは子供の素朴な質問がきっかけだった。子供が,いつもこのコップで飲むとミルクがこぼれるというので見ると,子供の小さい口には飲み口が大きすぎたのである。

「何事にも,このままで良いのか?もっといい方法はないのかと問題意識を持つことが大切ですね。基本を学び何事にも興味と執着心をもって発想の展開をし,たゆまぬ努力をすることが発明における私のモットーです」と熱く語る。


転倒ズリ鋼車
転倒ズリ鋼車(トンネル掘削時にでる土砂などを地上まで運ぶトロッコ)2台をいっぺんに吊り上げ中

改造自転車
子供用の自転車を改造したもの。腰をかがめて歩くよりも早く移動でき,腰痛にもならない