話題の竣工プロジェクト:
三鷹の森ジブリ美術館
手こぎポンプの井戸や 薪置き場のあるパティオ(中庭) |
 草が生い茂る屋上。 ロボット兵が来館者を見守るように立っている |
東京・武蔵野の面影が色濃く残る井の頭恩賜公園内に,三鷹の森ジブリ美術館がオープンした。「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」など数々のアニメーション作品を手がけた宮崎駿監督が率いる,スタジオジブリの美術館である。
その名の通り森の中に造られた美術館。門をくぐると受付でトトロが出迎えてくれる。天井にフレスコ画が描かれているエントランスを通って地下へ降りる。そこは,空中廊下が頭上を渡る大きな吹き抜け空間。太陽の光がいっぱいに降り注ぎ,天井ではプロペラがゆったりと回る。大人では狭すぎるほどのらせん階段,箱ごと飛び出したエレベーター。さて,ここからどこへ行こう。冒険の始まりだ。
館内には「映画が生まれる場所」と名付けられたアニメーションの製作過程を追う展示室,オープニング企画として大ヒット中の映画「千と千尋の神隠し」の展示が行われている企画展示室,オリジナル短編映画を上映する映画館「土星座」,子供に大人気のネコバスルーム,カフェやショップなどが配されている。しかし,なかなか自分が思うところにたどり着くことができない。わざと迷路のようなつくりになっているのだ。
木のぬくもりがいたるところに感じられる館内は,オーク,唐松,米松などの無垢材がふんだんに使われている。昔の小学校の床のようにでこぼこした感じが,生きた木のあたたかさを伝えている。
過去の作品を展示する美術館ではなく,子供たちが自由に走り回り,楽しめる美術館。建物そのものが展示物であり,様々な仕掛けが施された館内で,子供たちはいろいろな体験をしながら駆け回る。従来の美術館の概念とは全く違う美術館である。皆さんも是非,宮崎監督の「最新作」を体験しに,三鷹の森へ足を運んでみてください。
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ネコバスルーム |
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