21世紀のエネルギー基地として,2010年までに6基のLNG地下タンクを計画中の東京ガス扇島工場。そのうち当社は現在2基目となるTL(Tank LNG)21LNG地下タンクを施工中である。
●屋根を土で覆う
東京ガス扇島工場では,敷地の有効利用(緑化)と周辺環境との調和を考え,国内では初めてLNG地下タンクの屋根を完全に覆土する「埋設式」を採用した。タンクの貯槽容量は20万kl。LNG地下タンクとしては世界最大で,30万世帯に1年間分のガスを供給できる容量である。
●屋根を空気で押し上げる
TL21LNG地下タンクでは,底版上で地組した仮設鋼製屋根を空気で押し上げる「エアーレイジング工法」を採用した。これは,仮設鋼製屋根を型枠・支保工として利用することができ,安全・コスト及び工期の面で優れた工法である。「エアーレイジング工法」による屋根の浮上が行われたのは,去る8月26日。開始から約3時間で順調に浮上した。

底部より浮上する仮設鋼製屋根
浮上完了まで後1時間位(右の赤い管が送風管) |

浮上完了
そのまま仮設鋼製屋根の固定作業に入る |
●空気圧を支えにコンクリートを打つ
屋根の浮上が完了したら,屋根を側壁に埋め込んでおいた鉄板と溶接で固定し,1,700〜1,950mmAqの空気圧を支保工代わりに,鉄筋組立・コンクリート打設が行われる。これは「エアーサポート工法」と呼ばれ,屋根の型枠を支保工で支える工法に比べ,大掛かりな足場・架台が不要となる。コンクリート打設は2回に分けて行われ,1回目に打設するコンクリートが硬化するまで空気圧を保持し続ける。
竣工は2000年6月の予定である。
※ 1,700〜1,950mmAq
深さ1,700〜1,950mmの水圧に匹敵する圧力。Aqはaquaのこと。
TL21LNG地下式貯槽工事
<工事概要> |
場所 |
横浜市鶴見区扇島4−1 |
発注者 |
東京ガス |
設計 |
当社土木設計本部 |
規模 |
貯槽容量20万k,
貯槽内径φ72m(メンブレン内径),
液深49.2m,設計温度-162℃,
設計圧力0.240kg/cm2G |
工期 |
1995年10月〜2000年6月 |
施工 |
東京支店・横浜支店JV |
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