テクノプラザ: 超高層住宅を
1フロア3日で施工
〜PCa化による超高層住宅施工技術
当社は,RC超高層住宅「キャナルタウン兵庫O地区」で“躯体施工3日で1フロア”というスピード施工を実現した。今月のテクノプラザでは,この世界に例をみない超高速施工技術をとりあげる。

●超高速施工の決め手は部材のPCa化
本工事では発注者からの4ヶ月工期短縮要望と近隣協定による作業時間の限定という厳しい条件のもとスピード施工化の検討がされた。RC造の場合,躯体施工は通常1フロア6日以上かかる。ここでは,柱・梁・床・階段・バルコニー等主要部材の約70%を工場生産及び現場作業ヤードで製作したPCa(プレキャストコンクリート)にすることで施工合理化を推進し,1フロア3日を達成した。品質管理もコンクリート試験室を設置し圧縮強度試験から水・セメント比測定まで行っている。
工場から搬入された部材を地上で組み合わせることで,揚重回数を低減。また,床版は現場製作とし,4×9mの大型化及び床段差の一体製造を可能とした。2基のタワークレーンで部材を施工階へ。施工階での作業はなるべく簡潔にする。更に段取りや工程の見直し等改善策がJV社員と職長会で繰り返し検討された。
その結果,全体工程を約4ヶ月短縮し,37階建超高層住宅が23ヶ月という短工期で施工可能となったのである。PCa化による短工期施工は,いわば「時間を生み出す」技術といえる。

躯体施工サイクルと主な作業
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キャナルタウン兵庫ウエストO地区建設工事
<工事概要> |
場所 |
神戸市兵庫区駅南通5丁目2番 |
発注者 |
住宅・都市整備公団 関西支社 |
設計 |
当社関西支店建築設計部 |
規模 |
鉄筋コンクリート造地下1階地上37階,
延べ27,173m2,住戸数300戸 |
工期 |
1996年12月〜1999年4月
(途中中断4ヶ月あり) |
施工 |
関西支店JV施工 |
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