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建設s動産関連の規制緩和

　今年改正が行われた容積率規制の緩和や，土地区画整理事業における土地の集約化手法の充実などが，建設s動産関連分野全般に与える影響は大きい。当社では今後とも動向に注目し，より良い形でのサービスの提供を推進していく。

●敷地規模別総合設計制度の創設（９７年６月）

　従来の総合設計制度による容積率割増しのほかに，敷地規模に応じてさらに容積率の割増しが得られる制度である。敷地面積が５，０００㎡以上の場合に最高１００％(商業n)，１５０％(住宅供給型)，２００％(都心居住型)の容積率の上乗せが可能である。

本制度の適用例
指定容積率４００％の商業地域での
都心居住型総合設計の場合
(建設省発表の資料による)

●仮使用承認制度の運用改善（９７年３月）

　建物竣工時にテナントの一部が未決定で，内装工事を完了せずに建物を使用する場合には仮使用申請の手続きが必要である。テナントが順次決定する場合，従来はその度に仮使用申請が必要であったが，今回の通達で，１回の手続きで３年間は簡易な追加申請で良いことになった。

●「敷地整序型土地区画整理事業」の創設
（９７年４月）

政府が本年３月に発表した担保不動産等の流動化対策の一環として，「敷地整序型土地区画整理事業」が新たに推進されることになった。
従来の基準では大幅な減歩を伴うなど，都心部で導入するには困難を伴っていた。そこで今回，基準の運用を弾力化し，都心部の小規模な区域においてもほとんど減歩をせずに区画整理事業が実施できることになった。
土地区画整理事業の手法を導入すれば，土地の交換等に伴う譲渡所得税等の負担が発生しないため，都心部で虫食い状態の土地を集約することに大きく寄与するものと考えられる。

敷地製序型土地区画整理事業のモデル
事業前
甲・乙を入れ替えることにより、残りの虫食い状態の土地を集約することができる。本制度の利用により、甲・乙は譲渡所得税が課税されず、登録免許税・不動産取得税も非課税となる。
事業後

●不動産特定共同事業における機関投資家に対する
特例措置の創設（９７年５月）

不動産の小口化など，不動産に関する新しい事業手法として注目されている不動産特定共同事業については，従来一律に取り扱っていた一般の投資家と機関投資家を区別し，規制が一部撤廃された。
これにより，機関投資家に対しては，従来禁止されていた複数の物件を組み合わせた投資商品の販売，建築確認・開発許可等の取得前の商品販売，などが可能となった。

●高層住居誘導地区の創設（９７年６月）

第１種住居地域，第２種住居地域，準住居地域，近隣商業地域，準工業地域で４００％の容積率が指定されている地域のうち，地方公共団体が都市計画で定める地区を対象とする。この地区では，住宅割合が２／３以上の建物について，住宅割合に応じて容積率が最大で６００％に引き上げられる他，斜線制限，前面道路幅員による容積率制限が緩和される。

施策による効果のイメージ
現行制度第１種住居地域指定容積率４００％斜線制限、日影規制等により使用可能容積率が３割程度減少
新制度高層住居誘導地区全て住宅の場合６００％斜線制限、日影規制等による容積率低減の影響なし

●マンションなど共同住宅共用部の
容積率制限対象からの除外（９７年６月）

マンションなど共同住宅の共用廊下K段部分が容積率制限の対象から除外される。平面計画によっては，住戸部分として使用可能な面積の拡大が期待される。

施策による効果のイメージ