話題の竣工プロジェクト:

あすたむらんど徳島
科学する夢を子どもたちに

 「あすたむらんど」。このかわいいネーミングは,明日(あす)に多くの夢(たむ)がある場所(らんど)を意味しているという。ランドと言っても,遊園地とも違う。かといってどこにでもある公園でもない。
 子供たちに自然や科学を身近に感じてもらおうと,徳島県が板野町に建設した全国でも珍しい体験型公園で,この7月にオープンした。今年3月に開通したばかりの四国横断自動車道・板野インターチェンジから車で約5分。吉野川の流れを見渡す丘陵地に,甲子園球場6個分,約24ヘクタールの敷地面積をもつあすたむらんどが広がる。
 園内には,随所に宇宙や生命など自然にまつわる子供たちの素朴な疑問に答えてくれる様々な施設が整っている。その中核施設となるのが「子ども科学館」だ。中には,世界一の明るさを誇る投映機で3万8千個の星を映し出すプラネタリウムや国内に3か所しかない100万ボルトの雷を起こす「カミナリシアター」など,子供たちの好奇心をくすぐる約120種類の科学実験装置が展示されている。屋外にも体験しながら科学を学べる音色ギャラリーをはじめ,約50種類の遊具が並ぶ。
 このほか,全長600mの人工の川を小舟で巡るウォーターライド「吉野川めぐり」や,子供たちが喜ぶ巨大ジャングルジム・水遊びなど,体を動かして楽しめるエリアもある。また,芝生広場や四季折々の花が楽しめる「ウェルカムガーデン」,徳島市内が一望できる「風車の丘」など,ファミリーがのんびりと過ごせる従来の公園機能も充実している。
 この公園は,自然を生かしたふれあいの里づくり整備事業の一環として計画され,1998年に着工。当社は敷地造成工事をはじめ,プロジェクト全体で45件にも及んだ工事のコーディネートや緑化に関する技術協力を行った。最近,ヒートアイランド現象の緩和に効果的とされ,注目されている屋上緑化などの当社の緑化技術が採用されている。吉野川めぐりの施設の屋根は,緑化パネル「グリーンスクェア」が敷き詰められ,緑豊かな周囲とも調和している。さらに,生態系のしくみや大切さを学ぶことのできるビオトープ,芝生広場の施工では芝種,土壌改良などの提案が採用され,雨の少ない今夏でも生き生きとした状態を保っている。
 あすたむらんどは,誰もが持っている自然のしくみや科学についての「なぜ?」「どうして?」にやさしく答えてくれる。今時の「理科離れ」の子供たちだけでなく,大人たちにも是非お勧めだ。

ウェルカムガーデン
ウェルカムガーデン
四季折々の花で迎えてくれる
探険の国
探険の国
音の不思議など科学を身近に体験できる
冒険の国
冒険の国
ウォーターパラダイスのほかに
遊び心をかきたてる施設がいっぱい
芝生広場
芝生広場
広々として走り回ったり
寝そべったり思い思いに過ごすことができる

吉野川めぐりの施設
「グリーンスクェア」で覆われている
吉野川めぐりの施設
子ども科学館内にあるビオトープ
子ども科学館内にあるビオトープ
工事概要(当社JV工区)
工事名称:自然を生かしたふれあいの里づくり整備事業公園工事
場所:徳島県板野郡板野町那東
発注者:徳島県
設計者:環ヴィトーム
規模:公園工事 ウェルカムガーデン10,900m2 吉野川めぐり13,600m2 
冒険の国・探険の国15,500m2 芝生広場8,980m2
風車の丘13,100m2 他6,230m2
工期:1998年10月〜2001年6月
(四国支店JV施工)

風車の丘からの眺め 写真左に子ども科学館
風車の丘からの眺め 写真左に子ども科学館

あすたむらんど徳島案内図
あすたむらんど徳島案内図
交通  
神戸淡路鳴門自動車道⇒鳴門ICから車で20分
徳島自動車道⇒藍住ICから車で15分
四国横断自動車道⇒板野ICから車で5分
JR板野駅から車で5分
開園時間:開園/午前9時30分 閉園/午後5時00分
休園日:原則毎週水曜日と毎月第2木曜日,年末年始
入園料:無料 但し,子ども科学館など4施設は有料
問い合わせ:徳島県立あすたむらんど 
TEL088-672-7111