|鹿島の提案する多層階免震工場の特長|今後の展望|お問合せ先|
鹿島は、独自のカテナリーアーチ構法(鹿島特許)により、鉄骨造の短工期・大スパンのクリーンルームを建設する技術を保有しており、既に多くの実績があります。今回の多層階免震工場では、従来20m程度であったクリーンルームスパンを、40mクラスという大スパンに拡大し、生産装置のレイアウトの自由度を大幅に拡大しています。 カテナリーアーチ構法は、一般的に用いられるトラス梁に比較して、少ない鉄骨量で高い剛性を確保できる構法で、40mクラスの大スパンを多層化しても生産装置の微振動条件を満足できます。クリーンルーム床下から下階天井内まで、建物の階高を最大限有効に利用してアーチを構成し、必要な剛性を確保しています。このように多層化する事により、限られた敷地を有効利用することが可能となります。 カテナリーアーチ構法のもうひとつの特長は、クリーンルーム床下のリターンプレナム部にトラス梁のような斜材がほとんど無く、生産装置の補機、ダクト、配管、ケーブル類の配置が容易な点で、空間を自由に有効活用することが可能となります。
通常の電子デバイス施設では、クリーンルーム棟、エネルギー棟、事務所棟などと建物が分割されている場合が多くなっていますが、今回鹿島が提案する多層階免震工場は、クリーンルームを中央に、それを取り囲むようにユーティリティエリア、事務エリアを周辺に配置することで、生産に必要な施設をひとつの建物内に効率よく配置。建物全体を免震化することによって、地震リスクの大幅な軽減を図っています。
電子デバイス施設では、製品の歩留まり向上のため、日常的な微振動をいかに減らすかが重要となります。多層階免震工場では、剛性が高く微振動制御に適したすべり支承と、地震後に建物が元の位置に戻る復元能力が高い免震装置である積層ゴムを組み合わせて、最適な配置としています。 また、免震装置を微振動対策に最適な配置とした上で、鹿島の保有する微振動予測・防止システムである「V-FINEシステム」を適用し、建物周辺、及び、建物内の熱源機器などの振動発生源や振動伝播状況を調査・解析し、必要な対策をとることにより、求められる微振動条件を満足させています。