本工法は泥土圧シールド工法で、特徴は次のとおりです。
●1つの回転軸で複合円形を実現
当社で多くの実績がある矩形シールドの「WAC工法」における伸縮カッター技術を応用して、複合円形トンネルの構築を可能にしました。
「WAC工法」では、二つの回転軸で矩形トンネルを実現しましたが、カッターの伸縮幅を650mmから820mmに伸ばすことに成功し、1つの回転軸で縦横比1.0:1.15の複合円形を実現しました。
 伸縮カッター
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●安定した切羽を実現
泥土圧シールド工法では、切羽をチャンバ内の泥土による圧力で安定させています。本工法では、4本の伸縮カッターによる掘削が常時行なわれているため、チャンバ内の容積が変動しないように、2箇所に伸縮カッターに連動して動く土圧変動抑制装置を装備して、切羽土圧の安定を実現しました。
〔土圧変動抑制装置〕
 伸縮カッターが伸びると、土圧変動抑制装置のジャッキが縮み、 容積を一定に保つ。
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 伸縮カッターが縮んでいる時は、 土圧変動抑制装置のジャッキが伸びる仕組み。
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●形状保持装置を装備
シールドマシンのテール内にある組立前セグメントは、土圧などを受けていないため、掘進初期に変形する可能性があります。一方で、テールから出た時点で裏込注入圧を受け変形する可能性があります。これらを抑えるために、以下の2種類の形状保持装置を装備しています。
- 空気圧によりセグメント外部から圧力をかけてセグメントを安定させるテール内形状保持装置(東京メトロ他が開発)
- 裏込注入等によるセグメントの変形を抑えるために、セグメント内部からセグメントを支える門型形状保持装置(2基)
●洗浄設備を装備
本工事では、掘削対象土層が上総粘性土層(固結シルト層)となっていることから、伸縮カッター部分への付着・圧密が懸念されるため、伸縮カッター部分には洗浄設備を装備しています。