従来の超高層ビルは、鉄骨造、または、近年では、コンクリートを鋼管内に充填するCFT造が一般的でした。しかし、これらの構造では、耐震性能を確保するため柱・梁をフレーム構面として設置する必要があり、空間構成に多くの制約がありました。
一方、当社は超高層集合住宅において、鉄筋コンクリート造のコア壁に建物の耐震要素を集約することにより、居住空間の柱・梁が不要となり自由で開放的な居住空間を提供するスーパーRCフレーム構法を開発し、これまで多くの超高層マンションに採用され、実績をあげています。しかし、この構法を超高層オフィスビルへ展開する場合、執務空間に大スパンが要求されるため、床や頂部梁(スーパービーム)の重量が増加し、不経済な設計となります。
ハイブリッドマルチタワーは、スーパーRCフレーム構法を基本に、軽量化を考慮したS造床組とローコストに実績のある柱RC造PCa+梁S造のニューNEOS構法を組み合わせ、超高層ビル向けに改良を加え開発した構法です。これらの構成により、ハイブリッドマルチタワーは、経済性に優れ、建築的に自由度の高い空間を提供することができます。
現在、その第1号として、神奈川工科大学情報学部棟に採用され、施工中です。