[2005/10/18] |
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|開発者からの一言|問い合わせ先| |
鹿島(社長:中村満義)は、京都大学防災研究所・立川康人助教授のご指導の下、『山地降雨流出予測解析システム』を開発しました。
本システムは、洪水対策に関する技術提案を目的に開発されたもので、立川助教授らのグループによって提案されている森林土壌の雨水浸透・貯留効果を解析するモデルを導入することにより、「緑のダムの効果」(森林土壌による洪水流出抑止効果)を表現して、山地における雨水の流出状況をシミュレートするものです。 また、実際に利用する際の使いやすさを考慮し、GIS(地理情報システム)を用いた解析データの作成支援およびビジュアルに解析結果を表示する機能も備えています。 今後、当社では、既に開発済みの「都市型水害予測解析システム」と本システムを合せて活用することにより、都市域から山地までを視野に入れた洪水対策を積極的に提案していく考えです。
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開発の背景
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本システムの概要と特徴
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本システムは、雨水浸透・貯留効果を解析できるモデルを導入するとともに、山地での雨水の流れ方や勾配の表現についても精緻なモデル化を行っています。これにより、山地から都市域の上流河川等への雨水流出を正確に算出できます。 本システムの特徴は以下の通りです。
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本システムの検証
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2004年7月18日に実際に起こった福井豪雨の洪水における九頭竜川水系の「足羽川流域」を対象に、本システムの検証シミュレーションを行いました。その結果ほぼ実績値に近いシミュレーション結果が得られており、本システムの妥当性が確認できました。
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今後の展開
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今後、当社では、既に開発済みの『都市型水害予測解析システム』と本システムを合せて活用することにより、都市域から山地までを視野に入れた洪水対策を積極的に提案していく考えです。この提案により、解析実施の機会を増やすことを通じて、解析精度を高めるためのノウハウを蓄積しつつシステムの高度化を図るとともに、洪水対策関連施設の管理、浸水被害予測、災害時避難解析などへの適用も提案していく方針です。
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開発者からの一言
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特にこの数年は全国各地で水害が頻発しています。これらへの対策検討のため2年前に「都市型水害予測解析システム」を開発しました。このシステムをより有効に利用する上で、都市部解析エリアの上流から流入してくる山地の雨水流出条件の設定は1つの課題でした。
今回の開発成果を活かし、より合理的な水害予測解析を実施することにより、これまで以上に安全で安心な都市づくりに貢献できることを願っています。
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