鹿島(社長:中村満義)は、コマツエンジニアリング梶i社長:津村勇三)と共同で、このたび供用中の山岳トンネルの健全性を判断するためにコンクリートの厚さ(巻厚)を電磁波で高精度に計測できる「速度解析型電磁波レーダ装置」を開発しました。
従来の電磁波を使った計測装置では電磁波の送信器と受信器が一方向で構成されており、コンクリートなどの測定対象の正確な電磁波速度が得られず、コンクリートの厚さの調査精度に課題がありました。このたび開発した装置は、1つの送信器から発した電磁波を2つの受信器で受信する仕組みで構成されています。これにより電磁波速度を正確に算出でき、従来の方法に比べ格段に高精度化を達成しました。
開発した本装置を用いて、奈良生駒高速鉄道株式会社が建設しているけいはんな線東生駒トンネルで測定したところ出来型検査に近い計測値が得られ、その有効性を実証することができました。
今後、供用中のトンネルで構造物の補修案件が増える中、本装置を用いて積極的にトンネルの健全性調査診断を実施していく方針です。