[2006/01/17] |
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鹿島(社長:中村満義)は、気象庁が試験配信中の緊急地震速報を利用した新たなシステム「鹿島早期地震警報システム」を構築し、横浜・川崎地区に建設中の高さ100mを越える複数の超高層マンションの建設現場に適用し、運用を開始しました。気象庁の緊急地震速報を建設現場に適用するのは、国内で初めてとなります。
建設会社にとって、建設現場での社員・作業員の安全確保は最も基本的な事項であり、日常的な作業の安全確保だけでなく、地震など突発的な自然災害に対しても十分な配慮が求められています。 本システムは、主に地震の規模と発生場所などの配信を行っている気象庁の緊急地震速報をもとに、当社が独自に開発した技術を用いて対象地点への到達時間情報やその地点での震度情報をより高い精度で知ることができるものです。具体的には、地震の到達直前に、高所作業を行なうタワークレーンのオペレータの操作室へパトライトの光と音により地震情報を伝えて、高所から地上の作業員に退避指令を伝えさせること、工事用エレベータを自動的に最寄り階に停止させること、現場事務所内のパソコン画面に地震情報を自動的に表示させること、現場内で利用している携帯電話のメールへ情報配信を行なうこと、等を運用しています。なお、工事用のエレベータの自動停止については、1月末から稼動予定です。
気象庁の緊急地震速報について また、システム導入前に、建設現場での社員・作業員にアンケートや模擬訓練を行ない、数秒から数十秒というわずかな時間内に作業員が行なえる具体的なアクションプランをイメージできるようにしました。この活動は、日常の安全性を維持するための活動にも良い影響を与えており、現場での防災意識向上に確実に役立っています。 今後、当社では、今回の実現場への試験導入を受けて、情報伝達、配信方法の具体的な課題を抽出し、全国的な工事現場への展開を検討中です。
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システムの概要と特徴
(別添資料参照 PDFファイル 368KB)
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本システムは、気象庁から配信される緊急地震速報を鹿島本社の受信サーバで受け、配信先の情報に加工した後に社内のイントラネットを通して、大きな揺れが来る前に、地震情報を伝達するものです。設置後発生した地震(2005年10月19日の茨城県沖地震)では、現場社員の携帯電話にメール配信され、S波による大きな揺れまで約15秒の余裕時間が確認されました。
気象庁の緊急地震速報は、主に地震の規模と発生場所などを情報配信していますが、本システムでは、当社が独自に開発した技術を加えることにより、その緊急地震速報による情報にさらに高い信頼性を与えて、対象地点の情報としています。すなわち、横浜周辺で観測された過去80年余りの地震データの詳細な分析によって、地震発生場所、規模およびメカニズムから対象地点の到達時間情報や震度を精度良く推定することができます。これにより、対象地点で影響のある地震のみを選別し、無駄な警報を出さないようにしています。当社が約15年前より、リアルタイム地震学の分野で権威がある米国カリフォルニア工科大学の金森博雄教授の指導・協力を得て、伊豆方面の地震を対象に、地震情報の直前検知システムを試行的に構築し、ノウハウを蓄積してきた成果です。
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