鹿島(社長:中村満義)は、このたび九州石油株式会社(社長:木原誠)の大分製油所において原油の受け入れを妨げることなく、大型原油タンカー係留施設(ブレスティングドルフィン)を補強する工事を行いました。
九州石油の大分製油所では1968年に大型原油タンカー係留施設を建設し、これまで35年以上に亘り原油の受け入れを行ってきましたが、この度施設の老朽化に対応するため新たにブレスティングドルフィンを建設し、係留施設を補強しました。
本工事の特徴は、原油の受け入れを妨げることなく既設設備の間にブレスティングドルフィン2基を新設し施設全体を補強することにあります。そのため、原油タンカーの入船スケジュールに合わせて工事を行うよう工夫をして、海上での施工を限りなく少なくして無事工事を完了させました。特に、本工事で使用した杭は、直径1.5m、長さ約100m、打設傾斜角20
°の大口径長尺杭であり、作業船による杭打ちリーダーを使用した従来の杭打ち方法では、海上で杭を継ぎ足して打つことになるため、海上での作業工程が多くなり、品質面での課題がありました。今回、100mを超える長さの斜杭を海上で継ぎ足すことなく一本ものとして打つ工法を開発し、工期を大幅に短縮するとともに高品質な杭を打つことを可能にしました。
この100mを超える長さの斜杭を一本ものとして打つ工法は、国内で初めてのものです。
今後、当社では、本工事での実績から得られた施工技術・ノウハウを、係留施設の更新、増強などの工事に積極的に提案していく考えです。