[2006/7/4]


現地で発生した竹廃材を使い生態系を保全

法面保護材に竹廃材を有効活用

 鹿島(社長;中村満義)は、建設廃棄物のリサイクル推進の一環として、兵庫県発注の船越トンネル(余部工区)JV工事において、工事に伴い伐採した竹を法面保護工の緑化用マルチング材(*)として再利用しました。法面保護工の緑化基盤材として竹を100%使用したのは本現場が初めてです。

 近年、産業廃棄物処分場の残容量ひっ迫などから、循環型社会の構築は建設事業の使命ともいえます。
 鹿島はこれまでも廃棄物を低減・再利用するゼロエミッション活動や生態系の保全など、環境保全に関する様々な活動に取り組んできました。
 また、発注者である兵庫県でも循環型社会基盤整備(ゼロエミッション)に向けて、自然環境の保全再生や循環型社会の形成を推進しています。

 船越トンネルは、地域高規格道路「鳥取豊岡宮津自動車道」の一部で、地域の産業・経済活動を支える国道178号線のバイパスとして建設されています。
 本現場は竹林を伐採して道路を建設します。竹廃材は繊維質が高く、その処分が課題とされていましたが、本現場では発生した竹を廃棄物として処分せず法面保護材として有効活用するため、緑化用マルチング材として再資源化する「植生リードマルチング工法」を採用しました。

 本工法は(株)タック(社長;澁谷 弘治 本社;静岡県焼津市高崎)が開発した工法で、伐採した竹を50mm以下のチップに粉砕し、緑化用マルチング材として法面に吹付けを行うものです。チップ化した竹は、半年間仮置きして発酵を促進し軟化させます。
 本現場では生態系の保全を目的に、吹付けの際には鹿島とタックが共同でチップ化した竹と貴重な郷土種(ウツギ・タニウツギ・ナガバモミジイチゴ)を効率良く混合した結果、郷土種による自然の復元を可能にし、生態系にも十分配慮した施工を行うことが出来ました。
 本現場では2,900m2の法面に約10cm厚さで施工しました。

 今後も鹿島では環境に配慮した施工法を積極的に取り入れ、循環型社会の構築に貢献していく方針です。

*マルチング材とは
植物養生方法の1つで土壌水分の蒸発や雑草侵入を抑制、また土壌の浸食防止などを目的として土壌表面を覆う材料のこと

船越トンネル現場写真


工事概要

兵庫県船越トンネル工事概要


プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。