首都高速中央環状新宿線は、都心環状の外側(都心から半径8km)の場所に位置する延長約47kmの環状道路です。現在西側部分の延長約11kmのうち約10kmが環状第6号線(山手通り)の地下空間を利用して施工中で、途中には6カ所の出入り口と9カ所の換気所が構築されます。(図-1参照)
図-1 首都高速新宿線の路線概要
トンネル区間の約7割が、各々直径11〜13mの大断面シールドトンネルで内回り・外回りの2本が並行する形で構築され、ジャンクションや出入り口部は双方のシールドトンネルの間を開削工法で切り開いて構造物を構築する工法で施工されています。
富ヶ谷出入口工事では、ランプ区間(延長160m)の中央部に立坑を設けることが可能であったので、上部には道路軸と平行の直線パイプルーフ(Φ1011.6mm)を、下部に内回りと外回りの2本の本線トンネルと直角に太径曲線パイプルーフ(Φ812.8mm、76本)を設ける構造となっております。下部の太径曲線パイプルーフ(下向き施工)は外回りトンネルの鋼製セグメントを貫通する発進口から発進し、曲率半径R=16mの円弧状に19.2m推進して、内回りトンネルに到達させました。
(図-2、3、写真-1参照)
(図-2 富ヶ谷出入口部構造断面図)
(図-3 富ヶ谷出入口部パイプルーフ概要)
(写真-1 富ヶ谷トンネル太径曲線パイプルーフ工法施工状況)
この工事では、76本の太径曲線パイプルーフを、1本あたり7日程度(昼夜施工)のサイクルで施工しました。施工精度は構造上の許容値上下±100mm、左右
±80mmに対し、ほぼ許容値内の高精度で完了しました。今後はパイプルーフ間の地盤を凍結して、内部掘削、RC躯体を構築する予定です。(図-2参照)