[2006/12/8] |
「太径曲線パイプルーフ工法」の掘進が完了
鹿島建設株式会社
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|今後の展望| |
首都高速道路株式会社が整備を進めている首都高速中央環状新宿線SJ22工区(富ケ谷出入口工事の一部、延長160m区間の施工:大成・鹿島・鉄建特定建設工事共同企業体)において、鹿島・大成・鉄建・コマツ地下建機の4社が共同開発した「太径曲線パイプルーフ工法」が初めて適用され、下向き施工の曲線パイプルーフ76本全部の掘進を2006年10月初旬に無事完了しました。
※ パイプルーフ工法 地上部に影響を与えずに地下に構造物を構築する場合などに有効で、名前の通り
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背景
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都市部の地下は、鉄道・道路・共同溝・雨水施設などのインフラが整備されておりますが、シールド工法が一般化する以前はこれらの多くは地上から掘る「開削工法」で施工されてきました。また、道路トンネルの分岐・合流部を構築するためには「地上からの開削切り拡げ工法」を用いて施工されてきました。しかし、周辺環境からも地上部での開削が困難な場合は、大規模な凍結工法や地盤改良などの補助工法を併用した「地中切り拡げ工法」が必要となるため、安全性、工期、工費などの課題が多く、大深度・大断面トンネルでは従来方法で分岐・合流部を施工することは難しい状況です。
今回、太径曲線パイプルーフ工法(下向き施工)が適用された富ヶ谷出入口分合流部は、地下に大規模な埋設物が輻輳している大型交差点部と地上部は橋梁架設工事の施工ヤード直下であることから、非開削による構築工法が求められました。そこで、2002年から開発・実験を進めてきた太径曲線パイプルーフ工法を用いて、内回りと外回りの2本の本線トンネルを非開削で切り開く工法が採用されました。
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本工事への適用
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首都高速中央環状新宿線は、都心環状の外側(都心から半径8km)の場所に位置する延長約47kmの環状道路です。現在西側部分の延長約11kmのうち約10kmが環状第6号線(山手通り)の地下空間を利用して施工中で、途中には6カ所の出入り口と9カ所の換気所が構築されます。(図-1参照)
トンネル区間の約7割が、各々直径11〜13mの大断面シールドトンネルで内回り・外回りの2本が並行する形で構築され、ジャンクションや出入り口部は双方のシールドトンネルの間を開削工法で切り開いて構造物を構築する工法で施工されています。
この工事では、76本の太径曲線パイプルーフを、1本あたり7日程度(昼夜施工)のサイクルで施工しました。施工精度は構造上の許容値上下±100mm、左右
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本工法の開発の経緯と概要
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今後の展望
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本工法は今後、富ケ谷出入口工事と同等、あるいはより深い100m程度の大深度、より大断面の道路トンネル分合流部、さらに同種の大断面の山岳トンネルを可能とする方向での適用を目指していく考えです。
また、上向き施工の太径曲線パイプルーフ工法(フェーズU)への施工法確立に向けて鋭意開発を実施しております。
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