プロジェクトストーリー
就業者不足、働き方改革など
建設業界の抱える課題解決に向けて
【プロジェクトストーリー01】「鹿島スマート生産ビジョン」を打ち出した背景には、建設業界を取り巻く厳しい状況があります。その一つが建設就業者の不足です。また働き方改革への着実な対応も求められています。私が担当する遠隔管理は、現地でしか確認できなかった業務の一部を遠隔からの確認でも行えるようにすることで、現場施工管理者の働き方改革を進めるものです。具体的にはIoTセンサやカメラ映像、画像認識技術等を組合せ、工事現場のさまざまな事象をデータ化して施工管理に役立てるというものです。作業進捗状況などの単純な確認業務は、工事事務所や現場外からの遠隔管理にシフトすることで、現場管理業務を効率化します。また、同じシステムを社外にも公開することで協力会社や資材メーカーなどともリアルタイムに現場の状況を共有します。

工事現場の「見える化」を
実現するシステム開発
現場に出向き、あるべき機能を模索する
【プロジェクトストーリー02】遠隔管理の実現に向けて、現在私が取り組んでいるのは、現場に設置されたIoTセンサやカメラ映像によって、工事現場の人の位置や作業内容、資機材の管理状況や稼働状況を「見える化」することです。また蓄積されたデータを分析して作業や資機材の適性化を図ることや、その結果を次の工事にフィードバックする仕組みを作ることです。遠隔管理に最適な技術を探索・選定し、工事現場に何度も出向いてあるべき機能を提案しながら、システム仕様をまとめていきます。その上で開発したシステムを建設現場に導入し、利用者の声を聞きながら改善・改良を進めています。多くの技術を組合せ、最終的なデータのつながりやシステムの画面を設計する作業は大変ですが、新しい技術に触れる喜びを感じています。


現場の業務効率化の貢献しているやりがい
実現目標の2025年に向けて
開発を加速させる
【プロジェクトストーリー03】現在開発を進めている遠隔管理のシステムは、鹿島の自社開発物件である(仮称)鹿島伏見ビル新築工事をはじめ複数の現場において効果を測定しつつ、ビジョン実現に向けた実証を進めています。現場からは「現場の状況がどこにいてもリアルタイムで把握できるようになった」「今まで不明瞭だったことが、データによって明確になりコスト削減につながった」などの声をいただき、現場の業務効率化に貢献できていることに大きなやりがいを感じています。一方、データ処理やシステム改善、協力会社との連携など課題も山積みしています。また、作業員の健康状態や作業内容を把握するためのセンサやアルゴリズムの選定など新たな技術探索も必要です。「鹿島スマート生産ビジョン」の実現目標は2025年。それに向けて、より一層の高度化を図っていく考えです。

※原稿は取材当時のものです。