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データセンター

米国の実績をバネに
国内シェア50%

室長  市川 孝誠 (いちかわ こうせい)
技術士(電気電子部門)
鹿島建設株式会社 iDCプロジェクト室
日本データセンター協会 
運営委員 ワーキンググループリーダー

図版:市川 孝誠

業界初のデータセンター専門部署の開設

Q:データセンターを手がけるようになった経緯は?

米国の現地法人、鹿島USAが1995年に米国最大手の電話会社であるAT&Tからデータセンターの設計・施工を受注したのが始まりです。竣工期日を保証するということで受注し、建設したデータセンターの完成度が高く、それが米国内の企業に口コミで広がりました。95年から2003年の間に約50件(約1000億円)を受注するという実績を上げています。日本国内では99年にわが国初のデータセンターを鹿島が建設しました。以後米国の金融機関や通信会社が日本進出でデータセンターの建設をするに当たり、米国での実績が評価され、次々に受注が舞い込むようになったことで、2000年にデータセンターの専門部署としてiDCプロジェクト室を開設しました。業界では初めての専門部署の開設です。現在、鹿島は国内のデータセンター市場で約50%という圧倒的なシェアを保有しています

Q:データセンターの設計の難しさはどのような点でしょうか。

IT(情報技術)の進歩が激しく、3年後、5年後の状況はまったくわからないというのが実情です。ITのファシリティーを集約した施設が、まさにデータセンターです。だから、ITの進歩とともにデータセンターも変化を余儀なくされます。計画段階で、3年後のITの進化の状況を想定しなければならないという難しさがあります。このため、データセンターに求められるファシリティーのスペックの変化を適確に予測していくかが重要です。

Q:3年後、5年後のITの変化を予測しながら対応しているということですね。

いまはクラウドがブームになっていますが、これもどのように進展していくのか、明確になっていません。その変化を想定しながら対応していくことができるのが、鹿島のノウハウのひとつ。米国はITの先進国ですが、その米国でのデータセンターの実績が豊富なことから、最新情報を入手することができるのです。そうした情報に基づいてデータセンターを計画できるのが鹿島の強みといえますね。

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高い信頼と最先端の省エネ・省CO2技術

Q:信頼性の高さも求められているようですが。

例えば、データセンターがトラブルを起こすと、銀行のATMが使用できなくなるといったことにつながり、社会生活上の不安を招くことになりかねません。このため信頼性の高さがデータセンタに対してますます要求されるようになっています。データセンターはもともと信頼性の高い施設として計画されていますので、データセンターで発生するトラブルの70%程度はヒューマンエラーに起因するといわれています。そうしたヒューマンエラーに対応する装置のひとつが、無瞬断切り替え装置です。たとえ間違って操作しても、自動的に無瞬断に切り替えるという装置で、国内の電機メーカーと共同で開発し提供しています。

Q:環境面にも配慮されているようですが。

米国のデータセンターの場合、毎年、原発1基分の発電所を建設しなければならないくらい極めて大量の電気を消費しています。そのため、最先端の省エネ・省CO2技術を詰め込んでいるのも、データセンターの大きな特色です。例えば、サーバーの冷却技術でも従来と比べ、半分から3分の1という省エネが求められています。その実証実験にも鹿島は全力で取り組んでいます。

Q:データセンターの収益性という点ではいかがでしょう。

クラウドが広く普及してくるにつれて、データセンターのコスト競争力が極めて重要視されるようになっています。いかにコストパフォーマンス(費用対効果)の高いデータセンターを構築できるかが重要なポイントになっているのです。これには、いかにイニシャルコストを下げ、しかもランニングコストを下げるかがカギとなり、設計のノウハウになります。このノウハウを持っているのも鹿島ならでは、といえますね。

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災害に対する強さと品質の高さ

Q:東日本大震災はデータセンターに何か影響を及ぼしたのでしょうか。

あれほどの大震災だったにもかかわらず、仙台のデータセンター含めて営業をストップするところはひとつもありませんでした。輪番停電という電力不足にも対応した日本のデータセンターの災害に対する強さであり、品質の高さが証明された結果、BCPやDR対策としてデータセンターを利用する動きが、活発化しています。鹿島が手がけるデータセンターは、立地選定から設計、施工、さらに建設後の保守・運用、管理に至るまでグループ会社でトータルに提供できるというのが、最大の特徴です。業界ナンバーワンの総合力を発揮していると言ってもいいでしょう。

図版:標準的DCの消費電力量

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Q:日本データセンター協会の運営委員もされていますね。

日本のデータセンターの普及と国際競争力を高めようという目的で、2008年12月に発足した業界団体で、会員はデータセンターの事業者やユーザー、メーカーなど100社を超えています。鹿島はボードメンバーとしていち早くこの協会にも加盟しました。協会で独自に作ったデータセンターのファシリティー基準(J-Tier)もスタンダードになりつつあり、業界での活動にも積極的に取り組み、業界の発展に貢献できればと考えています。

Q:データセンターの今後の課題と展望について…

前述のように、ITの進歩に対応し、設計から施工、建設期間をいかに短縮するかがこれからの課題です。そのために、設計・施工のモジュール化やパッケージ化を加速させなければいけないと思っています。最近は、日本のIT関連企業の東南アジアへの進出が活発化しています。現地でのデータセンターの需要も旺盛なことから、鹿島もその対応に積極的に取り組んでいく計画です。

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