
福吉 ひとみ Hitomi Fukuyoshi
(教育文化施設)
入社時はプロジェクト設計チーム、現在は教育文化施設チームに所属し、教育施設の設計を中心に担当。
マイブームは3歳と1歳の息子を連れての学園祭めぐり。
※プロジェクト設計チーム:あらゆる用途の主要な設計施工プロジェクトの建築設計を担当するグループ
Q.1鹿島建設を志望した動機は?
A.技術的な知見を幅広く得られると思いました。オフィス環境も魅力的でした。
川上の設計から川下の現場、そして運用段階まで携われ、高い技術力に裏打ちされた幅広い知見を得られると思いました。様々な部署があることもアトリエや設計事務所にはない魅力です。また、アトリウムなどKIビルのオフィス環境も魅力的で、室内にいても外の雰囲気が感じられ、リラックスして働ける環境だと思いました。
Q.2学校を設計する上で大切にされていることは?
A.学校の個性を引き出し、建築に反映すること。
学校によって校風や組織のあり方は異なります。そのような違いを「個性」ととらえ、住宅を設計するように一つ一つの個性を細やかに聴きだしながら、建築に反映します。
Q.3今までで一番思い入れのある仕事は?
A.巣鴨学園中学校・高等学校 増築工事。
建て替えた校舎・体育館を臨む
都心の男子進学校で、2012~2016年で全4期の建て替えを先輩社員と担当しました。硬派な校風で、空に伸びるような力強い外観や、ハードユースに耐える堅牢さが求められました。
理事長先生が建築にお詳しく、密にやりとりを重ねるプロセスはとても勉強になりました。私自身が女子校出身のためはじめは戸惑いましたが、徐々に男子校ならではの学園色に染まっていきました。

既存樹木の木陰が心地よいテラス
─ 男子校の設計ならではのエピソードを教えて下さい。
デザイン性に重きをおきつつも、元気いっぱいの生徒たちに負けないよう、安全・頑丈なつくりを意識しました。例えば、バルコニーの手摺高さです。1.2mだと低くて危ない。1.8mだとよじ登りたくなる。2.4mなら諦めるということで、2.4mが採用されました。
─ 最もこだわったことは?
旧校舎の記憶を継承することがテーマのひとつでした。道路拡幅のため伐採せざるを得なかったイチョウは、カフェテリアの天井材等に活用しました。学園祭の折、ここで生徒さんたちの室内楽を聞かせていただいたことがあるのですが、学園の歴史と、今現在の学園の姿が共鳴しているようで感動的でした。また、イチョウをテーマに新たにデザインした鋳物のフェンスも、お客様に大変喜んでいただけました。
イチョウのフェンスをほどこした
明るい階段
屋上庭園のカフェテリア
Q.4ご自身にとっての「ベストなワークライフバランス」とは?
A.どんな自分も「持続可能な働き方」の ありかたのひとつととらえること。
2児に恵まれ、今現在は、仕事と家庭とで忙しいのは事実です。しかし、目先のことにとらわれすぎず、長く建築にたずさわっていくためにどうしたらよいかを考えるようにしています。この頃、長男は私の仕事がわかってきたようです。ままごとのお弁当を持たせてくれたり、「今日ママ、工事現場に行ってきたの?おじさんたちと、がんばってね!」などと言ったりします。
Q.5今後の目標を教えて下さい!
A.いつか、母校の設計がしたい。
母校で設計者の仕事について講演をしたとき、子供たちの顔を見て、母校が将来建て替える時は絶対に自分が設計したいという思いを強くしました。私は小学校在学中からすでに建築を志していましたが、歳を重ねて改めて母校を眺めると、新たな良いところが見えてきます。子供たちの思い出に残る学校をいつかつくってあげたいです。
更新:2020年8月