伝統と現代が融合した文化の交差点

トルコ政府が東京・渋谷区の住宅地に建設した日本最大のイスラム教寺院で、礼拝堂の他、多目的ホールや会議室、トルコ・イスラム芸術の作品展示スペースなどを備えている。イスラム文化における宗教建築の頂点を築いたオスマントルコ様式を正統に受け継ぎながらも、伝統と現代の融合をめざして現代の技術を積極的に取り入れ、新たな挑戦を試みている。中でも1つの大ドームを6つの半ドームが取り囲み礼拝堂を構成するスタイルは、伝統建築の中でも例の少ない空間構成である。また建物の内外装には、トルコの伝統職人の手によりカリグラフィー、イスラミックタイル、石材・石膏彫刻、木製彫刻などのトルコ・イスラム芸術を代表する伝統的な意匠が施されており、その美しさがお互いに調和して聖なる空間をつくりあげている。