- 前ページへ
- 次ページへ
建物のライフサイクルコスト(LCC)を知りたい
建物の運営管理のためには、
建物にかかる費用の構成を把握することが大切です。
右図のように、建物は竣工後から解体廃棄されるまでの期間に建設費のおよそ3~4倍の費用がかかるといわれています。建物の運営や修繕更新を、計画性をもっていかに行うかによって、発生する費用や建物の寿命は大きく異なります。 鹿島は、竣工時に長期修繕計画を作成して提供します。お客様は、長期修繕計画を参考資料として計画的に修繕更新を行うことにより、大切な資産価値の維持・向上を行うと共に、建物をより長くご活用することができます。
- 建物にかかる費用には、建設費のほか、運用費、一般管理費、保全費、修繕・更新費があります。
- 長期修繕計画は、修繕・更新費の年度毎の支出の推定を行ったものです。
ライフサイクルコスト(LCC)の構成要素
LCCは建物のライフサイクルにわたって発生する費用のことです。建設費から、水光熱費、点検・保守・清掃費などの運用維持管理費用、修繕・更新費用、解体処分費や税金・保険費用まで含んでいます。
建物用途別のLCC構成
事務所ビル
初期建設費はLCCの20%程度であり、建設費の4倍以上の運用費用が発生します。保守点検、清掃、警備の比率が高いのが特徴です。
学校
初期建設費や修繕・更新の割合が大きく、水光熱費の割合が比較的小さくなります。修繕・更新を計画的に行うのがLCC低減のポイントとなります。
ホテル
初期建設費の割合は、事務所ビルと同等です。業務ビルに比べ、水光熱費の割合が非常に大きく、LCC全体の1/3程度を占めています。清掃は共用部のみを対象としています。
商業施設
初期建設費の比率が小さく、水光熱費の割合が大きくなります(LCCの40%)。省エネルギーを行うことがLCC低減のポイントになります。
病院
LCCの構成がホテルと似た形となります。清掃グレードが高いため、ホテルに比べ大きな比率となります。6つの建物用途の中では最もLCCが大きくなります。
研究所
事務所ビルに比べ、建物の内部負荷が大きいため水光熱費が、また熱源の容量が大きいため設備点検費が大きくなります。
鹿島LCC評価システム
修繕にかかる費用を知りたいときに
鹿島は、企画から基本設計、実施設計、リニューアルまであらゆる段階に対応する独自のLCC評価システム(KLEAD®:KAJIMA Lifecycle Economic Analysis & Diagnosis)を開発、適用しています。お客様の事業計画段階や企画段階での計画予算のLCC評価に適用したり、竣工した建物の詳細な長期修繕計画を作成するために適用する等、資産形成のあらゆる場面で利用できるプログラムです。
鹿島LCC評価システムは、鹿島グループの管理会社の建物管理データを含めた鹿島独自のデータベースによるLCC評価が可能です。
企画段階「KLEAD-S」
- 事業企画、計画段階で、最小の情報で迅速なLCC、長期修繕費用の算出が可能です。
- 計画初期段階でお客様のLCC予算にて適合した建築仕様・システムの選択が可能であり、選択した仕様・システムに応じた管理の提案も可能です。
企画段階での建物全体のLCCの計算事例
(顧客計画と計算結果の確認)
設計・施工段階「KLEAD-B」
- 設計・施工段階で使用するシステムであり、お客様の建物の詳細長期修繕計画立案を提供でき、お客様の将来の資産価値検証に利用可能です。
- 鹿島の見積システムと連携しており、精算版長期修繕計画書が簡単に作成できます。
- 鹿島では、お客様のご希望に沿って、建物竣工時にアフターケア計画書として提供します。
長期修繕計画の例
リニューアル段階「KLEAD-R」
- リニューアル時期を迎えた建物に対して、①リニューアル、②そのまま使い続ける、③建替えの3パターンでLCCを算出し、お客様の想定した予算内になるような提案が可能です。
- 既存建物の修繕履歴を反映した現在からの長期修繕計画が算出できます。
建替とリニューアルのLCC比較の例