「AKASAKA K-TOWER」誕生――
それは,企画から開発,設計,施工まで当社の総合力で創り上げた,
鹿島ブランドの超高層複合タワーである。
ともに成長した赤坂の街
1968(昭和43)年,当社は東京・中央区八重洲から港区元赤坂に本社を移した。以来約40年にわたり鹿島旧本社ビルは,赤坂地区の都市景観に存在感を示し続けた。鹿島昭一副社長(当時)が設計を手掛けた白と濃灰色を基調とする洗練された建物は,霞が関ビルに続く当社の高層ビル建設第2弾として,また経済合理性を伴った近代的オフィスビルの先駆けとして注目を集めた。
当時の赤坂はビルの数も少なく,オフィス街と呼べる場所ではなかった。地下鉄や道路などの交通の便のよさにポテンシャルを見いだし,自らが都市開発を誘発する起爆剤となることを信じ,以来当社は赤坂を拠点に,この街とともに成長を続けてきた。
2007年夏――かねてより分散していた部署を集約・再配置するために計画された新しい鹿島本社ビルと鹿島赤坂別館の完成で,鹿島旧本社ビルは静かにその役割を終えた。 そして,“鹿島”を象徴する建築に宿るDNAは,次なる「AKASAKA K-TOWER」へと継承された。
新たなランドマークへ
2012年2月―― 計画から6年の歳月を費やし,「AKASAKA K-TOWER」が完成した。旧本社ビル跡地の再開発に相応しい新たなランドマークを目指したプロジェクトは,高さ約160m,地上30階建ての超高層複合ビルとなって,赤坂の街に新たな価値を創出していく。
当プロジェクトでは,東京都の総合設計制度による容積の割増で,土地の高度利用を実現。賃貸オフィスを核に上層階を賃貸レジデンスとし,店舗や駐車場を整備した。一方,建物の高層化によって敷地の4割以上を緑あふれる広場の公開空地とすることで,市街地の環境改善に寄与し,安全で快適な都市アメニティを提供する。
鹿島旧本社ビルの流れを受け継ぐファサードデザインは,「アウトフレーム構造」という新たな構造技術へと進化を遂げ,デザイン性と併せて,高度な耐久性, 安全性,快適性,機能性,環境性能を実現することとなった。このほか,歴史ある当社の制震技術,ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)関連技術,超高強度コンクリートの開発,オールPCa化施工など,最先端の自社開発技術が多数投入された。
「AKASAKA K-TOWER」は,企画・開発・設計・施工をオール鹿島が手掛けた,当社の集大成とも言えるリーディングプロジェクトとなった。