オーセンティック・コマーシャルビル

商業系マルチテナントビルの開発プロジェクト。敷地は、小さな街区割りの秋葉原電気街と大きなスケールの再開発エリアが出会う潮目にある。商業の活力が充満するこの街で、風景に奥行きを与え未来の記憶をも予感させる、訴求力ある商業ビルを構想した。街区に対しては、二つのエリアを繋ぐ路地の仕組みを持たせ応答を図った。建物では、多様なテナントのアクティビティや商品自体がファサードとなり、それに誘われ人が集まる、商いの祖型に近づこうと試みた。架構は、ブレース効果を付与し応力・変形を制御する「ダイアゴナルカラム」を開発した。細身の鉄骨柱は内外の連続感を高め、実質有効部分とレイアウトの自由度を拡げている。設備はメカニカルバルコニーを装備、高いサービス性能を備えている。意匠・構造・設備が揺るぎなく融合して組み上げた、合理的な商いのかたちである。