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設計担当者のコメント

大阪市立大学 高原記念館

人が自然に集まって来る、開かれた場

菅野 忠司

キャンパスの中央広場に「開かれた交流の場」をつくる。このテーマを具現化するにあたり、都市研究プラザ・多目的ホール・学友会という3つの機能が、流動的につながることで、組織という形式を乗り越え、自由で創造的な活動の場が生まれ、内外から「人が自然に集まって来て、開かれた場」になると考えて、この建物を設計しています。
建物の内外の境界線は、元々そこにあった木々の幹を結んだ線を手掛りに決定しています。これらの樹木は方向性や目印、よりどころや手がかりともなり、多様な場、非形式的な出来事、思いがけないシークエンスを作り、それらがつくる不整形な溜りの場は、予想外の動きや風景を生み出し、内外を流動的につなげてくれます。また、内外の一体化した場は、目的に応じて様々な使い方や家具のレイアウトがなされ、その都度、利用者のイマジネーションを掻き立てます。
内外の境界面は、内部の活動を表出したり、外部の気配を感じたりと、双方をあいまいに連続させるように、透明ガラスと木漏れ日のような表情をもった再生ガラスの2種類を使い分けています。これにより、森を歩いている人は、いつのまにか森の木漏れ日のような光を拡散させるインテリアへと引き込まれていきます。
ここでは、利用者が自らの手で自分のスタイルに合せて場を作り変えていくことで、場が固定化せず、その都度、流動的に領域が形成され、「人が自然に集まって来る、開かれた場」になると考えています。

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