鹿島ニュース

北海道東方沖地震で当社の技術が威力発揮

今号の目次に
もどる
他の号を
みる

アクティブ制震ビル制御効果を発揮

 本年10月4日に発生した 北海道東方沖地震 (マグニチュード8.1) において、 当社の開発した アクティブ制震システムである、 “AVS” (当社技術研究所大型振動台実験棟に設置) と “DUOX” (安東錦町ビルに設置) のそれぞれが効果を発揮した。 この地震は関東大地震より大きな規模で、 東京では震度3を記録した。 このときの建物の揺れを、 小堀研究室内に設置された アクティブ制震ビルの集中観測センター、 DIB観測センターで 迅速なデータ処理を行った結果、 建物の振動は 地震の全時間に亘って、 制御しない場合の 2分の1以下に低減されたことがわかり、 目標どおりの効果が実証された。

津波の伝播を精緻に解析

 一方、 地震時に発生した津波のシミュレーションを スーパーコンピュータを用いた “津波伝播解析システム” で行った。 この解析結果による津波の到達時間は、 気象庁の発表した 観測結果と一致し、 その後伝えられた 北方四島の被害が大きかったこと、 津波が 震源地付近だけでなく北海道、 東北地方の太平洋沿岸の広範囲に 伝播したことが 明らかになるなど 本システムの有効性が立証された。 また、 このシステムは 解析結果がでるまでの時間を 海底地形のデータをデータベース化することにより、 従来の50%以下(当社比)に 短縮することに成功した。 シミュレーションの結果は新聞、 TVでも紹介され反響を呼んだ。


写真は鹿島月報より転載

All rights reserved, Copyright (c) 1995 KAJIMA CORPORATION