独立行政法人医薬基盤研究所、鹿島建設株式会社、国立大学法人千葉大学による研究成果である「薬用植物(甘草)の人工水耕栽培システムの開発」がこのほど、内閣府の「第9回産学官連携功労者表彰(厚生労働大臣賞)」に選ばれました。
本研究は、国内使用量の100%を輸入に依存し汎用性の高い薬用植物「甘草」の国内での安定供給を目指し、世界で初めて人工水耕栽培システムの開発に成功したものです。甘草の良好な栽培条件を見出し人工水耕栽培とすることで大幅な栽培期間短縮を実現し、均質で良質な苗を開発し高品質の甘草を安定的かつ継続的に生産可能とした画期的な技術です。
医薬基盤研究所、鹿島、千葉大がそれぞれの知見、ノウハウ、技術を高次元で連携させ、研究成果をあげた好例として高い評価を受けました。
なお、第9回産学官連携功労者の表彰式は9月22日(木)に東京国際フォーラムで開催される「平成23年度産学官連携推進会議」(主催:内閣府)において行われます。
水耕栽培装置 奥の甘草は装置から引き上げた状態
第9回産学官連携功労者表彰
厚生労働大臣賞
「薬用植物(甘草)の人工水耕栽培システム」の開発
(受賞者)
吉松嘉代 : (独)医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター 育種生理研究室長
斎藤俊哉 : 鹿島建設(株) エンジニアリング本部生産・研究施設第3グループ GL
(現:土木管理本部 土木技術部 次長)
後藤英司 : 千葉大学大学院 園芸学研究科 教授
(受賞理由)
(独)医薬基盤研究所の吉松嘉代育種生理研究室長、鹿島建設の斎藤俊哉次長、千葉大学の後藤英司教授は、世界初の「薬用植物(甘草)の人工水耕栽培システム」の開発に成功した。均一で良質な苗を開発するとともに、甘草の良好な栽培条件を見出し、人工水耕栽培システム内に圃場栽培以上の良質な環境を維持管理することで栽培期間の短縮と薬効成分の蓄積促進を実現し、高品質の甘草を安定的かつ継続的に生産可能とした。国内使用量の100%を輸入に依存し、第2のレアアースとも言われる最も汎用性の高い薬用植物である甘草の国内での安定供給の途を切り開いた画期的な事例として高く評価される。
甘草の水耕栽培について(2010年10月28日プレスリリース)はこちら
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