鹿島(社長:中村満義)は、持続可能な社会に向け、「鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050」を本年3月に策定しました。
今後世界では、人口増加やそれに伴う経済活動の広がりにより、気候変動や地球温暖化、資源枯渇や廃棄物発生量の増加、森林喪失などによる生物多様性の劣化などの環境問題がますます顕在化していくことが予想されています。
建設業は、社会基盤整備を担う産業として、こうした問題に積極的に対応し持続可能な社会を実現することに大きく関わっていかなければなりません。例えば、建設資材など資源の使用量が多く、資機材の生産・加工、輸送に関わるCO2排出や建設業が提供するビルや住宅などの構造物の運用時においてもCO2を多く排出しています。資源の消費とともに廃棄量も多い一方、他産業由来のものも含めた再生材活用が建設業に期待されています。また、建設事業を通じて直接自然環境を改変する立場にあり、地域の生態系には大きく関与しています。
鹿島は、これらの課題を踏まえ、持続可能な社会に向けて建設業とその関連事業を行う当社が果たすべき役割を、このたびの「鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050」として策定しました。
「鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050」は、持続可能な社会を「低炭素」「資源循環」「自然共生」の3つの視点でとらえ、2050年までに鹿島が達成すべき将来像を「Zero Carbon」「Zero Waste」「Zero Impact」と表現しました。
それぞれの「ゼロ」は、自社の事業活動で実現するものだけでなく、社会や顧客への提案を通じて実現していくものも含めています。
低炭素 | Zero Carbon | 自社活動と提供する建造物からの温室効果ガス排出ゼロを目指す |
資源循環 | Zero Waste | 資源の循環利用と建造物の長寿命化による廃棄物ゼロを目指す |
自然共生 | Zero Impact | 自然・生物への影響抑制と新たな生物多様性創出により事業全体でのインパクトゼロを目指す |
「鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050」は長期的な理想の姿を描いたものですが、より具体的な目標を定めて活動を推進するため、2030年時点での実現をイメージした「ターゲット2030」もあわせて策定しました。
「トリプルZero2050」を目指す取組みの核となる活動を抽出し、設計や施工それぞれの段階で可能な限り定量的に2030年の到達点を示したものです。
Zero Carbon | 【設計】 ZEB達成 *ZEB:Zero Energy Building 2020年にトップランナー案件でZEBを実現、 2025年にはZEB技術を汎用化し、2030年にZEBの普及を目指す。 【施工】 CO2発生原単位で1990年度比35%削減 (総量では1990年度比65%削減に相当) |
Zero Waste | 【ゼロエミッション】 建設廃棄物最終処分率:0% 【再生材利用】 主要資材での再生材利用率:60%以上 【長寿命化】 数値目標は設定せず、関連指標で監視 |
Zero Impact | 【創出】 生物多様性ネットワークの拠点となる良質プロジェクトを社会に蓄積 【保全】 数値目標は設定せず、関連指標で監視 |
また今般、「鹿島環境方針」も全面的に改定し、当社の環境マネジメントの目指すところが「鹿島環境ビジョン」の実現であることを明確にしました。
環境方針(2013.4改定)
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この鹿島環境ビジョンの実現に向け、以下の活動を推進していきます。
プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。