[2013/05/23]

「鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050」の策定について

 鹿島(社長:中村満義)は、持続可能な社会に向け、「鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050」を本年3月に策定しました。
 今後世界では、人口増加やそれに伴う経済活動の広がりにより、気候変動や地球温暖化、資源枯渇や廃棄物発生量の増加、森林喪失などによる生物多様性の劣化などの環境問題がますます顕在化していくことが予想されています。
 建設業は、社会基盤整備を担う産業として、こうした問題に積極的に対応し持続可能な社会を実現することに大きく関わっていかなければなりません。例えば、建設資材など資源の使用量が多く、資機材の生産・加工、輸送に関わるCO2排出や建設業が提供するビルや住宅などの構造物の運用時においてもCO2を多く排出しています。資源の消費とともに廃棄量も多い一方、他産業由来のものも含めた再生材活用が建設業に期待されています。また、建設事業を通じて直接自然環境を改変する立場にあり、地域の生態系には大きく関与しています。
 鹿島は、これらの課題を踏まえ、持続可能な社会に向けて建設業とその関連事業を行う当社が果たすべき役割を、このたびの「鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050」として策定しました。

<概念図>長期ビジョンイラスト
<概念図>長期ビジョンイラスト

鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050

 「鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050」は、持続可能な社会を「低炭素」「資源循環」「自然共生」の3つの視点でとらえ、2050年までに鹿島が達成すべき将来像を「Zero Carbon」「Zero Waste」「Zero Impact」と表現しました。
 それぞれの「ゼロ」は、自社の事業活動で実現するものだけでなく、社会や顧客への提案を通じて実現していくものも含めています。

鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050
低炭素Zero Carbon自社活動と提供する建造物からの温室効果ガス排出ゼロを目指す
資源循環Zero Waste資源の循環利用と建造物の長寿命化による廃棄物ゼロを目指す
自然共生Zero Impact自然・生物への影響抑制と新たな生物多様性創出により事業全体でのインパクトゼロを目指す

ターゲット2030

 「鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050」は長期的な理想の姿を描いたものですが、より具体的な目標を定めて活動を推進するため、2030年時点での実現をイメージした「ターゲット2030」もあわせて策定しました。
 「トリプルZero2050」を目指す取組みの核となる活動を抽出し、設計や施工それぞれの段階で可能な限り定量的に2030年の到達点を示したものです。

ターゲット2030
Zero Carbon 【設計】 ZEB達成       *ZEB:Zero Energy Building
  2020年にトップランナー案件でZEBを実現、
  2025年にはZEB技術を汎用化し、2030年にZEBの普及を目指す。
【施工】 CO2発生原単位で1990年度比35%削減
      (総量では1990年度比65%削減に相当)
Zero Waste 【ゼロエミッション】 建設廃棄物最終処分率:0%
【再生材利用】 主要資材での再生材利用率:60%以上
【長寿命化】 数値目標は設定せず、関連指標で監視
Zero Impact 【創出】 生物多様性ネットワークの拠点となる良質プロジェクトを社会に蓄積
【保全】 数値目標は設定せず、関連指標で監視

環境方針の改訂

 また今般、「鹿島環境方針」も全面的に改定し、当社の環境マネジメントの目指すところが「鹿島環境ビジョン」の実現であることを明確にしました。

 環境方針(2013.4改定)

鹿島は“100年をつくる会社“として、長期的な環境ビジョンを全社で共有し、環境保全と経済活動が両立する持続可能な社会の実現を目指す。

  1. 自らの事業活動における環境負荷の低減はもとより、建造物のライフサイクルを考慮し、低炭素社会、資源循環社会、自然共生社会の実現を目指す。
  2. 上記取組みを支える共通の基盤として
    • 環境の保全とその持続可能な利用に資する技術開発を推進する。
    • 事業に関わる有害物質につき自主管理も含め予防的管理を推進する。
    • 積極的な情報開示を含め、広く社会と連携を図る。

今後の展開

 この鹿島環境ビジョンの実現に向け、以下の活動を推進していきます。

  1. これまでのISO14001環境マネジメントシステムに基づく活動を見直し、長期ビジョンを推進するために必要な社内の共通基盤を整備します。
  2. 環境ビジョンの実現のためには、長期的な視野に立った技術開発や社会システムの変革が必要なことから、必要な技術開発や社会への提言を積極的に行います。
  3. ターゲット2030の実現に資する主要な活動実績を把握し、取組みの進捗度を定期的に評価・公表します。

  4. ◆参考ホームページ:鹿島環境ビジョン(トリプルZero2050、ターゲット2030) 別ウィンドウが開きます

    プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
    その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。