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東日本大震災における鹿島の取組み

小峰城跡石垣復旧工事

日本100名城「白河小峰城」の石垣を元の姿に

福島県白河市にある小峰城。奥州の関門として名高く、国の史跡に指定されています。また、「日本100名城」にも選ばれ、観光客や地元の皆さんに親しまれていました。しかし、東日本大震災により、石垣が10か所に亘って崩落しました。鹿島と地元・白河市の鈴木建設の共同企業体は、10か所の崩落した石垣と、崩落は免れたものの修復が必要な4か所の石垣、計14か所の石垣復旧工事を2013年から行っています。

図版:イメージ

工事概要

小峰城跡石垣復旧工事(現在5期工事まで受注)

発注者
白河市
工事場所
福島県白河市郭内
施工者
鹿島・鈴木特定建設工事共同企業体
事業内容
東日本大震災で崩落した石垣10か所と修復が必要な4か所を合わせ14か所の石垣復旧工事
工事内容
うち崩落箇所9か所と修復が必要な箇所2か所を受注 復旧面積2,105m2
工期
2013年9月〜2017年3月

(2016年9月現在)

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奥州の要所、小峰城

小峰城は南北朝時代、14世紀中頃に結城親朝が「小峰ヶ岡」と呼ばれたこの地に城を構えたことが始まりとされ、江戸時代、初代白河藩主・丹羽長重が「奥州の押え」にふさわしい石垣を多用した梯郭式の平山城を完成させました。その後、21代もの大名がこの小峰城を居城としていましたが、戊辰戦争で大半を焼失し、落城したと言われています。

1991年に三重櫓、1994年に前御門が江戸時代の絵図に基づき木造にて忠実に復元され、2010年に「小峰城跡」として国の史跡に指定されました。

図版:小峰城 前御門と三重櫓

小峰城 前御門と三重櫓(写真提供:白河市)

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震災により、10か所にわたり石垣が崩落

小峰城は、現在延長約2kmにも及ぶ石垣が残されていますが、2011年3月11日の東日本大震災により、本丸南面の石垣が幅約45mにわたって崩落したのをはじめ、10か所の石垣が崩落しました。幸い、崩落による人的被害はありませんでしたが、白河市のシンボルである小峰城の石垣が無残に崩れた姿に、市民の落胆は大きいものでした。

白河市では、崩落した10か所の石垣と孕みなどにより復旧が必要な4か所の石垣の復旧工事を2013年から行っています。鹿島・鈴木特定建設工事共同企業体は、現在5期工事(11か所)まで受注し、順次工事を行っています。

図版:震災直後の小峰城の様子 正面の本丸南面が大きく崩れている

震災直後の小峰城の様子 正面の本丸南面が大きく崩れている
(写真提供:白河市)

図版:施工箇所平面図

施工箇所平面図

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崩れた約7,000個の石垣を元の位置に

小峰城では、10か所、面積にして約1,600m2あまりの石垣が崩落しました。これほどまでに大きな面積が崩落した事例は他にありません。通常の修復工事では、綿密に調査を行った後に解体し、再度石積みを行いますが、今回は震災で崩落したため、通常行う調査なしで復旧工事を行わなければなりません。手がかりとなるのは崩落前に撮影された写真や書物のみです。

崩落した石垣は一つずつクレーンで移動し、石材ひとつひとつに通し番号を振り、仮置きした後、スケールを入れた正面写真を撮影します。写真の縮尺を合わせたうえで石の輪郭をCADで描き、崩落前の写真と照合しながら石垣の施工図を作成します。崩落した石材は全部で約7,000個にも及びます。ひとつひとつ破損などがないか確認し、破損している石は新しい石材を加工したものに置き換えます。

図版:崩れた約7,000個の石垣を元の位置に

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伝統的な石積み技術を基本として

小峰城の石垣は国の史跡に指定されているため、原則的には、元あった石を、元の場所に、造られた当時の手法を用いて復旧することが求められます。しかし、地震に強い石垣とするため、盛土部に石灰による改良土を用いたり、一部についてのみすべり止めのシート状補強材を挿入しました。

図版:改良土を用いた背面盛土状況

改良土を用いた背面盛土状況

図版:石工による石積み状況

石工による石積み状況

Column 石垣のつくりかた

石垣は表面の石の後ろに、裏込石(栗石)と呼ばれる10~20cm程度の大きさの丸みを帯びた石を詰め、その後ろに盛土を設置します。表面の石は背面側が細くなっており、石どうしの隙間には飼石と呼ばれる石を詰めて固定しています。

図版:石垣のつくり

石垣のつくり

図版:石垣復旧の流れ

石垣復旧の流れ

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工事の様子

2016年9月

2016年7月に5期工事が開始されました。5期工事では、4期工事に続いて本丸西面北面の石垣上部の復旧工事と、帯曲輪北面及び月見櫓の解体が行われます。現在は主に、竹之丸の復旧、本丸西面北面の復旧が行われています。

現場では、定期的にドローンによる撮影を行い、上空から工事の進捗を撮影しています。地上からはわかりにくい石垣背面の盛土や裏込め石の様子などもよくわかる写真となっています。

図版:竹之丸復旧の様子(ドローンによる撮影)

竹之丸復旧の様子(ドローンによる撮影)

図版:本丸西面北面復旧の様子(ドローンによる撮影)

本丸西面北面復旧の様子(ドローンによる撮影)

図版:竹之丸復旧の様子

竹之丸復旧の様子

図版:本丸西面復旧の様子

本丸西面復旧の様子

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2015年8月

2013年9月からの1期工事と2期工事により、本丸南面の修復が完了しました。それに伴って、見学が中止されていた三重櫓と前御門の公開が2015年4月に再開されました。

3期工事と4期工事では竹之丸の修復と、本丸西面〜北面の石垣修復等が行われています。

図版:2015年4月19日、三重櫓と前御門の公開が再開され、多くの方が訪れた

2015年4月19日、三重櫓と前御門の公開が再開され、多くの方が訪れた

図版:小峰城石垣のシンボルともいえる本丸南面

小峰城石垣のシンボルともいえる本丸南面

図版:竹之丸の修復の状況(2015年3月)

竹之丸の修復の状況(2015年3月)

図版:本丸西面〜北面の修復の状況(2015年8月)

本丸西面〜北面の修復の状況(2015年8月)

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Column 復興への思いを裏込め石に 石垣イベント開催

2016年8月11日、白河市が主催した「小峰城跡石垣イベント」が開催されました。イベントでは、参加者に1口200円の小峰城城郭復元基金をお願いし、復興への思いを書いた裏込め石を、竹之丸の背面に置きました。夏休み期間中ということもあり、イベントには約500名が訪れ、そのうち約300名が復興への思いを石に託しました。メッセージ入りの裏込め石は復旧が進む小峰城跡石垣の一部となります。

また、現場では、月に1回、石垣の積み上げ作業を行っている竹之丸南面などの現場を一般公開しています。普段見ることのできない石垣の裏側の様子なども見ることができます。今後の予定は以下の通りです。

開催日:2016年9月4日(日)、10月2日(日)、11月6日(日)、12月4日(日)
公開時間:午前10時~午後3時

*天候や工事の状況等により、中止になる場合があります。

図版:それぞれ復興への思いを石に描く参加者たち

それぞれ復興への思いを石に描く参加者たち

図版:メッセージ入りの裏込め石は復旧が進む竹之丸南面の背面に置かれた

メッセージ入りの裏込め石は
復旧が進む竹之丸南面の背面に置かれた

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