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液状化対策技術

コーン貫入試験による液状化評価

精度の高い連続データで地盤種別、液状化診断結果を即座に提供

1995年兵庫県南部地震や2011年東北地方太平洋沖地震では、液状化によって数多くの構造物に被害が生じました。地震時に液状化するかしないか、あるいは液状化した場合、構造物にどの程度の被害を及ぼすかを把握することは耐震設計上重要な課題です。

我が国では標準貫入試験のN値及び採取試料の粒度試験結果に基づく液状化の評価が一般的に行われています。しかし、この方法では時間がかかる上に、地層の状況を連続的に把握できません。鹿島では迅速、かつ連続的に高精度なデータが得られるサイスミックコーン貫入試験によって地盤が液状化する可能性を予測する手法を開発しました。このコーン貫入試験は、地盤調査車(Geo-Explorer)に搭載され、機動性に富んだ調査を可能にしています。

図版:サイスミックコーン貫入試験の概要

サイスミックコーン貫入試験の概要

キーワード

サイスミックコーン貫入試験、液状化、側方流動、地盤調査

標準貫入試験に比べ、迅速かつ低コストで地盤の液状化診断が可能

コーン貫入試験装置は、当社が国内で唯一保有する地盤調査車(Geo-Explorer)に搭載されています。トラックの自重を反力としてN値40程度まで貫入できます。移動が簡単で機動性に富み、100m/日程度の調査が可能です。搭載されているPCでデータを処理し、サンプリング試料による室内試験を行わずに、現場で即座に結果を出力します。これらによって、下記の断面図に示す調査を2日程度で行えます。

図版:地盤調査車(GeoExporer)

地盤調査車(GeoExporer)

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図版:コーン貫入試験結果に基づく液状化範囲の想定断面図

コーン貫入試験結果に基づく液状化範囲の想定断面図

特長・メリットココがポイント

土質種別並びに土の堆積状況の詳細な判定

  • 調査箇所の深度方向に連続する形で、土質分類(土質種別の判定)を行うことができます。
  • 複数個所の調査結果から、土の堆積状況を空間的に詳細に把握することができます。

図版:土質分類図

土質分類図

図版:細粒分含有率FCと土質分類指数Icの関係

細粒分含有率FCと土質分類指数Icの関係

図版:コーン貫入試験結果から土質種別を決定するフロー

コーン貫入試験結果から土質種別を決定するフロー

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信頼性の高い液状化評価式

兵庫県南部地震をはじめとする過去の地震において、液状化が生じた地点と生じなかった地点でコーン貫入試験を実施しました。その結果、コーンの先端抵抗と地震時に地盤中に作用した繰返しせん断応力比の間に液状化・非液状化の境界を示すことが出来ました。この関係から地盤の液状化抵抗を推定できます。

  • 実際の地震被害に基づき評価式の有効性を検証
  • 日本建築学会建基礎構造設計指針に採用

図版:コーンの補正先端抵抗と地震時に地盤に生じる繰返しせん断応力比の関係

コーンの補正先端抵抗と地震時に地盤に生じる繰返しせん断応力比の関係
※図中の黒実線が、補正先端抵抗値から推定される地盤の液状化抵抗

迅速かつ低コストな液状化診断

地盤の液状化抵抗をコーン貫入試験結果から迅速に推定できます。特に、従来では、評価に時間とコストがかかった、細粒分が多く、N値が小さなシルト質砂の評価に有効です。推定した液状化抵抗を用い、想定地震動に対する地盤の液状化診断を迅速かつ低コストで行うことができます。

  • 細粒分が多く、N値が小さなシルト質砂の評価に有効
  • 迅速かつ低コストな液状化診断

適用実績

図版:液状化対策

1995年以降、国内約20箇所の現場に適用しています。

学会論文発表実績

  • 「コーン貫入試験結果と標準貫入試験から得られた地盤特性との関係」,日本建築学会構造系論文集,第566号,2003年
  • 「コーン貫入試験結果と凍結サンプリング試料の液状化強度の関係」,日本建築学会構造系論文集,第566号,2003年
  • 「地震時の液状化事例とコーン貫入試験結果の関係」,日本建築学会構造系論文集,第571号,2003年

弾性波速度を探る3次元孔間弾性波トモグラフィ

固化した地盤の品質・出来形をせん断波速度の分布で確認

3次元孔間弾性波トモグラフィは、弾性波速度を解析することにより、従来は2次元的な評価に限られていた地質状態を3次元的に可視化・予測できる物理探査手法の一つです。山岳工事や都市土木工事において、様々な目的を対象に、当該技術の利用が考えられます。液状化や地震対策工事では、想定する地震力の増大により、地盤を固化することで構造物の耐震化を図る事例が最近増加しています。固化した地盤の品質や出来形の空間的な評価に、3次元孔間弾性波トモグラフィの適用が期待されます。

図版:3次元孔間弾性波トモグラフィによる地質調査のイメージ

3次元孔間弾性波トモグラフィによる地質調査のイメージ

キーワード

液状化対策、地盤改良効果、弾性波速度、トモグラフィ、三次元
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探査方法と探査事例

探査は次の手順で行います。超磁歪式発信器・受信器を利用することで、都市部の工事や、既存施設に近接する工事でも調査を行うことができます。飽和した砂地盤の液状化や地震対策工事を念頭に実施したセメント注入試験工事において、改良前後の地盤のせん断波速度の分布を3次元孔間弾性波トモグラフィで調査し、注入箇所の出来形と品質を確認しています。

①探査対象範囲を囲む複数のボーリング孔のうち、1孔を発振孔、その他の1孔を受振孔とします。
②発振孔には超磁歪式発振器を探査対象範囲とする深度まで挿入します。
③受振孔には、1~2m間隔で10数個連結した加速度計を挿入します。
④発振孔において超磁歪式発振器により弾性波を発振し、受振孔においてその波を受振します。
⑤発振は1~2mの間隔で振源を引き上げながら、探査対象範囲とする深度まで行います。
⑥発振孔と受振孔を入れ替えたり、地表において発振したり、その他のボーリング孔を利用したりして、探査対象範囲全体をとり囲むように①~⑤の手順をくり返して、探査を終了します。

図版:探査概念図

探査概念図

図版:孔壁に圧着可能な構造へと改良した超磁歪式発信器

孔壁に圧着可能な構造へと改良した超磁歪式発信器
※受信器も同様な構造を採用

図版:セメント注入地盤を対象とした探査事例

セメント注入地盤を対象とした探査事例

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特長・メリットココがポイント

固化した地盤の出来形や品質を評価

試験工事において、セメント系固化材で改良した地盤の品質や出来形の空間分布を評価できることを確認しています。固化した地盤の品質や出来形の空間的な評価に、3次元孔間弾性波トモグラフィの適用が期待できます。

都市部の工事でも利用可能

超磁歪式の発信器・受信器を利用することで、探査時の振動や騒音が問題にならないため都市部での工事でも利用できます。

図版:弾性波トモグラフィと速度検層の結果の比較

弾性波トモグラフィと速度検層の結果の比較
(比較箇所:前出の断面図でX=0、Y=0.5mの位置)

適用実績

図版:地盤改良

大規模地下空洞やトンネル工事の地質評価、注入効果の把握、および廃止坑道や防空壕探査などの実績があります。

学会論文発表実績

  • 「三次元孔間弾性波トモグラフィによるセメントグラウトの改良効果の評価」,第39回岩盤力学に関するシンポジウム講演集,2010年
  • 「3次元孔間弾性波トモグラフィによるグラウト効果の評価」,岩盤力学に関するシンポジウム講演論文集,No.32,2003年

遠心力を利用した遠心模型実験

実規模レベルの応力状態を再現できる地盤の模型実験

遠心模型実験は、模型地盤に重力のn倍の遠心加速度を作用させた状態で、実物の1/n倍に小型化した模型地盤の実験を行うことで、実際に近い地盤挙動を調べる実験手法です。実規模の実験に比べ、低コスト、短工期で地盤の挙動を再現できることから、地盤工学分野で広く利用されています。

鹿島技術研究所で保有する遠心模型実験装置は、国内トップクラスの載荷性能、最先端の計測機器、並びに様々な荷重条件を再現できる制御装置を備えています。また、羽田空港D滑走路工事をはじめとした実工事における設計・施工法の検証や、切羽補強工法といった新技術の研究開発等、遠心模型実験に関する豊富な実績を有しています。さらに地盤改良など地盤関連工事の信頼性の向上並びに合理化に、遠心模型実験装置を活用できます。

図版:切羽補強工法の補強効果検証実験(掘削模擬装置)

切羽補強工法の補強効果検証実験(掘削模擬装置)

図版:実験後の切羽崩壊形状

実験後の切羽崩壊形状

キーワード

遠心力、遠心模型実験、地盤と構造物の相互作用、静的挙動、動的挙動、地震、液状化
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実験原理と適用例

地盤の挙動は、土自体の重さなど地盤の応力状態によって変化します。小型化した模型実験では、地盤の応力状態が実際の地盤と異なるため、埋立による粘性土地盤の圧密による沈下、盛土や切土による斜面のすべり、地震時の砂地盤の液状化など地盤に関わる問題を再現できません。

遠心模型実験では、重力加速度の数十~数百倍の範囲でn倍の遠心加速度を載荷することによって、1/n倍の小さな模型の中に実物と同じ応力状態を作り出し、実現象とほぼ対応した挙動の再現が可能です。縮小した小型模型を利用する遠心模型実験は、試験体製作のコスト縮減に寄与するだけでなく、長期間にわたる地盤の浸透現象が模型内ではn2倍の速さで進行することによる実験時間の短縮、実物では不可能に近い観測地震波の入力といった利点があります。2010年に供用を開始した羽田空港D滑走路の設計では、接続部の長期的な変形予測法の検証実験に、本実験装置を活用しました。

図版:遠心模型実験の原理

遠心模型実験の原理

図版:羽田空港D滑走路の護岸接続部の基礎地盤を模擬した遠心模型実験

羽田空港D滑走路の護岸接続部の基礎地盤を模擬した遠心模型実験

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特長・メリットココがポイント

遠心模型実験装置

  • 9.8(4.9)kN の試験体を搭載した状態で遠心加速度100(200)G の実験が可能です。
  • コンピュータによる完全自動運転が可能です。
  • 試験体の変形や破壊の状況を写真・ビデオカメラにより映像として計測可能です。
  • 192ch 同時サンプリングが可能です。
  • 動的加振時に油圧ジャッキにより揺動架台を回転腕に固定することにより、精度の高い計測が可能です。

図版:遠心模型実験装置

遠心模型実験装置

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遠心模型実験の運転状況(動画)

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載荷装置

動的加振装置

  • 加振テーブル上に最大2.5kN の試験体を搭載し、100G の遠心場で実験が行なえるので、多様な振動実験が可能です。
  • 50G場においても実物換算で500Galの大加振が行なえるので、大地震時の地盤の挙動が再現可能です。
  • 実物換算で0.1 ~ 16Hz の広範囲で加振が行なえるので、実際の地震動が再現可能です。

その他の載荷装置

  • トンネル掘削模擬装置
  • 凍土造成装置
  • 模型傾斜(水平震度載荷)装置

図版:載荷装置:動的加振装置

載荷装置:動的加振装置

主な実験対象

  • 大深度地下構造物
  • トンネル掘削
  • 大規模盛土・切土斜面
  • 補強土構造物
  • 杭と地盤の相互作用
  • 各種構造物(橋梁基礎・トンネルなど)と地盤の動的相互作用の解明
  • 液状化地盤の挙動把握および対策工法の検証
  • 土構造物の地震時安定性の検証 など
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適用実績

図版:地盤改良

本邦の建設会社で初めて遠心模型実験装置を導入した1990年以降、土木系・建築系で数多くの利用実績があります。

学会論文発表実績

  • 「凍結工法に適用する凍上・解凍沈下予測手法の検討 ─遠心模型凍上実験─」,土木学会第66回年次学術講演会,2011年
  • 「遠心力載荷試験装置による杭式改良地盤の液状化実験 ─その1 実験概要・水圧挙動─」,第46 回地盤工学研究発表会,2011年
  • 「遠心力載荷試験装置による杭状改良地盤の液状化実験 ─その2 地表面沈下─」,第46 回地盤工学研究発表会,2011年
  • 「地盤変形の影響を考慮した鋼管矢板井筒護岸の設計(その2) ─遠心模型実験に対する弾・粘塑性構成式の適用性検討─」,地盤工学会第42回地盤工学研究発表会,2007年

液状化対策技術 インデックス

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