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学校・教育施設

省エネと創エネの挟み撃ちで、
エネルギー収支をゼロに近づける。

地球温暖化対策や、限りあるエネルギーを安定的に確保するため、省エネへの取り組みが強く求められています。また、東日本大震災以降、災害時のエネルギー源確保についても重要課題となっています。

鹿島は、これまで蓄積してきた様々な省エネ技術を駆使し、究極の節電ビルともいえる「ゼロエネルギービル(Zero Energy Building/ZEB ゼブ)」の実現に取り組んでいます。

  • 学校ゼロエネルギー化
  • 自然を活かした省エネルギー
  • 環境教育への貢献

ゼロエネルギービル(Zero Energy Building/ZEB ゼブ)とは、建物の運用段階でのエネルギー消費量を、省エネや再生可能エネルギーの利用などにより削減し、限りなくゼロにするという考え方です。その思想を学校教育施設へ展開するために、鹿島は「ゼロエネルギースクール(Zero Energy School/ZES ゼス)に力を入れています。

また、環境に配慮した校舎・キャンパス計画は、学校の維持運営費の低減に繋がるだけでなく、環境教育の生きた教材としても有効です。

文部科学省と国土交通省においても、学校のゼロエネルギー化の実現可能性や、ゼロエネルギー化の対策技術による防災機能への貢献、学校施設を活用した環境教育についての検討を実施し、2012年に検討結果の要点をパンフレットにまとめて展開しています。

学校ゼロエネルギー化

鹿島の提案するゼロエネルギースクール(ZES)とは

鹿島は、ZEBへの取り組みを発展させ、ゼロエネルギースクール(ZES)として学校へも展開しています。

一般的なZEBを実現するためのゼロエネルギー化技術は、大きく4つの要素から成り立っています。

図版:鹿島の提案するZESとは

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更に、エネルギーの自給やエネルギーの多元化といった、災害時の施設機能確保のためのエネルギー化技術も提供し、お客様の事業継続に貢献しています。

こうした取り組みに、アトリウムなどの学校特有の施設における省エネや、環境教育の視点を組み入れて学校施設に最適化させるのが、鹿島の提案するZESです。

ZEB、そしてZES実現に向けた鹿島の取組みと、それらを支える様々な省エネ技術をご紹介します。

ZESのかたち?

ZESとは、完成するとどのような校舎になり、それにはどのような技術が必要なのでしょうか。

一例として中層(4階建て)のZESのイメージ・モデルをご紹介します。

注:実際には、用途、規模、場所等により、様々なバリエーションが生じます。

学校の特徴を活かしたエコデザイン ─ZERO ENERGY SCHOOL 建築─

図版:ZESのイメージモデル

ZESのイメージモデル

図版:ZES

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パッシブデザインとは?

高断熱や日射遮蔽などによる負荷抑制、太陽の熱や光、風などの自然エネルギーの利用により、快適な温熱環境を作り出すエコデザインの手法。

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アクティブアプローチとは?

パッシブデザインで最小化された負荷に対し、未利用エネルギーの活用や高効率機械での効率的な処理などにより、最大限の省エネルギーを図るエコデザインの手法。

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エコ・スタディスタイルとは?

エコ・ワークスタイルを学校教育施設に展開させた考え方。

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このイメージ・モデルでは、様々なゼロエネルギー化技術を、その特性を踏まえて学校教育施設の機能に則した最適箇所に適用することで、従来技術の効果と施設の機能を最大に高めています。

これにより、通常の学校よりも約40%の省エネを図ったキャンパスづくりが実現可能となりました。

技術事例1:ダイナミックファサード(可変ルーバー、ライトシェルフ) パッシブデザイン

窓の外側に、開閉可能な可変ルーバーとライトシェルフを設置し、自然の風や光を上手く取り入れます。

夏季と中間期は、可変ルーバーをフルオープンにすることで、風や光を奥まで通します。

冬季は、可変ルーバーをクローズにすることで、ダブルスキン化を図り、直達日射のグレア(見えづらさを生じさせるような「眩しさ」)防止や断熱・紫外線カットを図ります。

図版:ZESのイメージモデル

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ライトシェルフとは?

直達光を遮蔽し、高窓に反射光を導く「中庇(ひさし)」のこと。

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ダブルスキンとは?

2枚のスキン(ガラス面)を設けたシステムで、2枚のスキン内を外気で換気するシステム。

図版:可変ルーバーの開閉を調節することで、風、光、熱等を調整します。

可変ルーバーの開閉を調節することで、風、光、熱等を調整します。

図版:フルオープン時(夏季・中間期)風を爽やかに奥まで通します。

フルオープン時(夏季・中間期)風を爽やかに奥まで通します。

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技術事例2:環境教育の場(アトリウム) パッシブデザインエコ・スタディスタイル

建物中央に設けられたアトリウム(吹抜け)は、空間の開放感を与え出会いや交流の場を提供します。また、重力換気を利用し、トップライト頂部より室内の空気を排出させる自然換気システムの一役も担っています。

アトリウムでは、プロジェクションマッピングやインフォメーションボードの設置などにより、大空間を利用して、省エネ効果の「見える化」と環境教育の実践にも活用します。

図版:ZESのイメージモデル

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重力換気とは?

下部より取り入れた冷たい空気が室内で暖められて軽くなり、上部へと流れる上昇気流を利用した換気方式。

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プロジェクションマッピングとは?

建物や物体、空間などに対して映像を映し出す技術。

図版:環境教育の場(アトリウム)

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技術事例3:エネルギーの自給/多元化への応用 パッシブデザイン

ゼロエネルギー化技術を、エネルギーの自給やエネルギーの多元化といった、災害時の施設機能確保のためのエネルギー化にも活用します。

  • 太陽光蓄電:災害時の電力需要を賄います。
  • 光ダクト :災害時の照明機能を補てんします。
  • 雨水貯留 :トイレ機能を一定期間確保します。

図版:ZESのイメージモデル

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光ダクトとは?

反射板を用いて太陽光を建物内部に取り込み、室内照明として利用するシステム。

自然を活かした省エネルギー

自然とともにある建物を目指して

ZESの実現には、自然エネルギーの活用が重要な要素となります。

鹿島は、立地や計画に即した最適な省エネ技術や考え方を提供し、学校の省エネルギー戦略をお手伝いします。

立命館中学校・高等学校長岡京新キャンパス

立命館大学長岡京中学・高校新キャンパス(京都府京都市)は、「地域性を活かした計画」、「自然エネルギー利用」、「ピークカットに寄与する電力デマンド低減」、「災害時の地域貢献と省エネの両立」、「学校活動と連携した環境への取組み」という5つの大きな柱を軸として整備された、最先端のエコキャンパスです。

「自然エネルギー利用」の具体的取組みとしては、キャンパスの中心となるアトリウム空間をエコスクールの象徴として位置付け、季節に応じた各種自然エネルギーの活用と建築対策の組み合わせにより、年間エネルギー収支をゼロにする「ゼロエネルギーアトリウム」を目指しました。

ここでは、当社が開発した再生可能エネルギー利用の高効率ヒートポンプシステムであるReHP®(Renewable energy Heat Pump:リヒープ)が採用され、空調に利用されています。

同キャンパスの取り組みは、国土交通省の平成24年度住宅・建築物省CO2推進モデル事業に選定されました。

図版:外側西面

外側西面

図版:2階センターアトリウム

2階センターアトリウム

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再生可能エネルギー利用高効率ヒートポンプシステム「ReHP®

ReHP®(リヒープ)は、建物周囲の太陽熱(光)、空気熱、地中熱、水熱など複数の再生可能エネルギーを熱源として利用する高効率なヒートポンプシステムであり、従来のヒートポンプ冷暖房機に比べて年間消費電力量の30%以上の削減とCO2排出量の抑制に寄与します。 

ReHP®を構成する要素技術として、ソルエアヒートポンプシステム®(太陽熱(光)、放射冷却及び空気熱交換を用いた温冷熱供給用ヒートポンプ)や、新規に開発した地中熱交換器(高密度地中熱交換システム、エコサイトパイル®地中熱交換システム)などがあり、これらを熱媒となる水ループで接続して冷暖房や給湯の熱源に用います。

本システムは、複数の再生可能エネルギーや未利用エネルギーを組み合わせて柔軟にシステムを構築することが可能であり、学校分野への適用も期待されます。

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慶應義塾大学日吉第4校舎独立館

慶應義塾大学日吉第4校舎独立館は、創立150年事業の一環として日吉キャンパスに整備されました。

今後100年の使用が想定されている独立館は、日差しを和らげる回廊や自然換気のアトリウムなどの半屋外空間を連ねることで、機械設備だけに頼らないエコスクールを実現しています。

キャンパスと街を緩やかに結ぶ桜並木アプローチ、西日を和らげる大屋根とルーバーのあるアプローチアベニュー、既存の銀杏並木の仕組みを取り込んだ木陰のようなアトリウム。これらの「半屋外」共用空間は、自然換気や自然光など自然エネルギーを効果的に活用すると同時に、9mの敷地高低差を活かした学生の居場所となるコミュニケーションスペースとなっています。

こうした環境に配慮した新しい試みにより、2008年には横浜市が環境に優しい建物を認証する制度(CASBEE横浜認証制度)において最高位「Sランク」の認証を受けました。

2010年BCS賞受賞

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BCS賞とは?

一般社団法人日本建設業連合会が、我が国の良好な建築資産の創出を図り、文化の進展と地球環境保全に寄与することを目的に、毎年国内の優秀な建築作品を選定するもの。

図版:アプローチアベニューの半屋外空間

アプローチアベニューの半屋外空間

図版:トップライト風力換気とアトリウム温度差換気の仕組み

トップライト風力換気とアトリウム温度差換気の仕組み

図版:周辺環境と緩やかに繋がった独立館

周辺環境と緩やかに繋がった独立館

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多摩美術大学

多摩美術大学八王子キャンパスでは、大学という社会的責任を担う機関として、環境問題への高い意識を持った学生を育成すること、またデータ収集によりNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が進める新エネルギー開発に貢献できるよう、レクチャーホールにおいて、太陽電池を組み込んだガラスの大屋根で発電し、校舎に供給しています。

省エネルギーに加え、創エネルギーを活用した自給自足によって、ZESの実現に繋げます。

図版:建材一体型の太陽光発電設備を設置したレクチャーホール

建材一体型の太陽光発電設備を設置したレクチャーホール

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環境教育への貢献

「見える化」から「試す化」へ

政府のエネルギー基本計画では、「学校教育の現場でエネルギーに関する基礎的な知識を教育プログラムの一環として取り上げることは、大きな効果が得られると考えられる。」と謳われ、将来のエネルギー需給構造を支える人材育成のために子供の頃からのエネルギー教育が推奨されています。

鹿島は、風、温度、明るさなど、学校を取り巻く様々な環境要素の完成後の状態を事前に「見える化」、すなわちコンピュータで分かり易く可視化、数値化し、より快適な環境計画にフィードバックすることができます。

また、運用開始後の省エネ効果の「見える化」や、生徒による効果の検証まで踏み込む「試す化」により、環境教育に展開させることもできます。

「見える化」による環境要素の事前評価(計画時の「見える化」)

計画・設計に当たり、風、温度、明るさなど完成後の状態を、事前にコンピュータで可視化、数値化し、より快適な環境計画にフィードバックします。

日本大学豊山高等学校・中学校

都心立地の校舎の全面建て替えの計画において、一般的な校舎の設計経験則からでは予測できない複雑な環境をコンピュータの3次元解析により「見える化」し、環境要素の事前評価を行いました。

特徴的なアトリウムを持った高層校舎の3次元モデルを組み立てることで、建物周囲の将来の風環境や外構温熱環境を予測しました。

建物内においても、自然光による明るさや自然換気の活用の可能性を数値化して取り込むことで、省エネルギーの効果や建設後に発生する可能性のある問題点を予測可能にし、その対処を設計に反映しています。

図版:「見える化」による環境要素の事前評価

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省エネ効果の「見える化」(運用時の「見える化」)

省エネへの取り組みは、環境教育の生きた教材としても有効です。

例えば、太陽光による発電量や各種技術による省エネ効果を、IT機器を活用して「見える化」すれば、生徒の環境教育に活かすことができます。

東京電機大学 東京千住キャンパス

鹿島が研究施設棟と図書館教室棟の施工を担当した東京電機大学の東京千住キャンパス(東京都足立区)では、積極的な省CO2戦略を掲げて先進的省エネルギー技術を導入し、省CO2エコキャンパスを実現しています。

そして、学生や地域・社会、管理者に対し、デジタルサイネージ(電子掲示板)を活用して省エネ効果の「見える化」を進め、キャンパス自体を教材とした環境教育を実施しています。

同キャンパスの取り組みは、国土交通省の平成21年度住宅・建築物省CO2推進モデル事業に選定されました。

図版:鹿島は研究施設棟、図書館教室棟の施工を担当

鹿島は研究施設棟、図書館教室棟の施工を担当

図版:CO2排出量の削減目標

CO2排出量の削減目標

「試す化」による環境教育への展開

「見える化」されたエネルギーから、生徒たちの主体的な活動を促し、様々な効果の検証を可能とする「試す化」の教育プログラムを提案します。

立命館中学校・高等学校長岡京新キャンパス

立命館長岡京中学校・高等学校新キャンパス(京都府京都市)では、自然エネルギーを積極的に活用したエコキャンパスの実現に取り組んでいます。

また、「見える化」された設備を利用して、エネルギー教育の一環として生徒とともに省エネルギーチューニングが行われていく予定です。(第11回住宅・建築物の省CO2シンポジウム資料より)

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図版:「試す化」による環境教育への展開

スクールマニュアルの提供

教材としてもお使いいただける自然換気の仕組みなどをまとめた校舎のマニュアルを、ご要望に応じ編集します。

学校法人西南学院(福岡県福岡市)では、自然エネルギーを活用したエコスクール、ビオトープや学校の森による環境教育への取り組みのほか、ランニングコストの低減を踏まえた様々な工夫を行っています。

鹿島は、こうした取り組みを鹿島のノウハウが入ったスクールマニュアルとしてビジュアル資料にまとめ、竣工後に教職員に配布し、説明を行いました。

学校法人西南学園は、これらの最適な教育環境づくりを持続的に行う取り組みが高い評価を受け、2011年の第5回日本ファシリティマネジメント対象(JFMA賞)の奨励賞を受賞しました。

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日本ファシリティマネジメント大賞とは?

公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)が、日本国内におけるFMの普及・発展に資することを目的として、FMに関する優れた業績等を表彰するもの。

図版:教職員に対するスクールマニュアル説明の様子

教職員に対するスクールマニュアル説明の様子

図版:西南学院のスクールマニュアル

西南学院のスクールマニュアル

学校・教育施設 インデックス

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