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伝統建築/歴史的建造物の保護・再生

伝統を支える技術

耐震診断

鹿島は、建物の調査を行い、状況に応じて段階的な診断法を駆使し、耐震性能を総合的に評価いたします。また、より詳細な診断を必要とする場合は、建物の実情に合わせた解析モデルを作成し、その地域の地震波を予測し、動的な時刻歴解析を行い詳細診断を行う用意があります。万一、耐震性能が不足した場合は、その建物に合う最も適した補強法を提案いたします。

耐震診断イメージ

1. 予備診断法
「重要文化財(建造物)耐震診断指針、「所有者診断」 (文化庁 文化財保護部)
・簡易診断法として、早期対応、方針決定に最適

2. 伝統木造住宅診断法
「改訂版 木造住宅の耐震精密診断と補強法」(日本建築防災協会、2004/7改訂)
・伝統木造住宅の詳細診断、耐震補強提案用のツールとして利用

3. 社寺建築診断法
「伝統構法を生かす木造耐震設計マニュアル」(木造軸組構法建物の耐震設計マニュアル編集委員会、2004/3発行)
・社寺建築の詳細診断、耐震補強提案用のツールとして利用

4. 時刻歴解析例
清水寺本堂の耐震性能
京都で想定される最大級の地震として、花折断層による大地震が発生した場合に、本堂にどの程度の被害が生じるかを詳細解析モデルによる地震応答解析によって評価した事例です。

清水寺本堂南北断面図
清水寺本堂南北断面図
(京都府教育文化庁文化財保護課
国宝清水寺本堂修理報告書 1967年)

清水寺本堂(国宝)は1633年に再建された寄棟造り、檜皮葺の日本を代表する伝統建築物で、本堂高さは18m、舞台高さは約13mです。

想定花折地震入力時変形状況
想定花折地震入力時変形状況

花折断層を震源とするM7.3の地震に対して、立体三次元精算解析モデルを用いて解析を行った結果、清水寺本堂は倒壊する可能性が低いという結果となりました。
本解析結果は、立命館大学歴史都市防災研究センターとの共同研究によるものです。